慢性リンパ性白血病に対する化学免疫療法とリツキサン®️+イムブルビカ®️はどちらが優れていますか?(RCTの中間解析; NEJM 2019)

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Ibrutinib-Rituximab or Chemoimmunotherapy for Chronic Lymphocytic Leukemia.

N Engl J Med. 2019 Aug 1;381(5):432-443.

doi: 10.1056/NEJMoa1817073.

PMID: 31365801

【試験背景】

未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)の患者における、フルダラビン(フルダラ®️)、シクロホスファミド(エンドキサン®️)、およびリツキシマブ(リツキサン®️)による標準的な化学免疫療法と比較した場合の、イブルチニブ-リツキシマブによる治療の有効性に関するデータは限られている。

【方法】

フェーズ3試験では、未治療のCLL(70歳以下)の患者を以下の2群へランダムに2:1で割り当てた。

①イブルチニブ1サイクル後にイブルチニブ+リツキシマブ6サイクルを実施し、その後は疾患が進行するまでイブルチニブ単独療法を実施

②フルダラビン、シクロホスファミド、およびリツキシマブによる化学免疫療法を6サイクルまで実施

主要エンドポイントは無増悪生存期間であり、全生存期間は副次エンドポイントとした。計画された中間分析の結果を報告する。

【結果】

・合計529人の患者がランダム化を受けた(イブルチニブ-リツキシマブ群に354人、化学免疫療法群に175人)。

・追跡期間中央値33.6ヵ月で、無増悪生存期間の分析結果は化学免疫療法よりもイブルチニブ-リツキシマブを支持した。本結果は中間解析のプロトコルで定義された有効性の閾値を満たしていた。

★3年で 89.4% vs. 72.9%, 進行または死亡のハザード比 =0.35; 95%信頼区間[CI] 0.22〜0.56, P <0.001

・2次評価項目である全生存期間の分析結果においても、化学免疫療法よりイブルチニブ-リツキシマブを支持した。

★3年で 98.8% vs. 91.5%, 死亡のハザード比 =0.17, 95%CI 0.05〜0.54, P <0.001

・免疫グロブリン重鎖可変領域(IGHV)変異のない患者を含むサブグループ分析では、イブルチニブ-リツキシマブは化学免疫療法よりも良好な無増悪生存率をもたらした。

★ 90.7% vs. 32.5%, 進行または死亡のハザード比 =0.26; 95%CI 0.14〜0.50

・疫グロブリン重鎖可変領域遺伝子(immunoglobulin heavy variable group, IGHV)変異患者の3年無増悪生存率は、イブルチニブ-リツキシマブ群で87.7%、化学免疫療法群で88.0%だった。

★進行または死亡のハザード比 =0.44, 95%CI 0.14〜1.36

・グレード3以上の有害事象の発生率(属性に関係なく)は、2つのグループで類似していた(イブルチニブ-リツキシマブを投与された352人中282人の患者[80.1%]と化学免疫療法を受けた158人中126人[79.7%])。

・一方、グレード3以上の感染性合併症は、化学免疫療法よりもイブルチニブ-リツキシマブで一般的ではなかった(37人の患者[10.5%] vs. 32人[20.3%], P <0.001)。

【結論】

イブルチニブ-リツキシマブ療法は、未治療のCLLを有する70歳以下の患者における標準的な化学免疫療法の療法よりも優れた無増悪生存期間および全生存期間をもたらした。


【コメント】

アブストのみ。

今のところリツキサン®️の適応にCLLはなく、CD20陽性のB細胞増殖性疾患などです。適応追加の承認申請が昨年行われていたと思います。副作用に差がなく有効性が優れているならば喜ばしいですね。続報に期待

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