Which medications to avoid in people at risk of delirium: a systematic review. Review article
Clegg A, et al. M
Age Ageing. 2011.
背景
せん妄は一般的な臨床上の問題であり、健康への悪影響と関連している。多くの薬がせん妄の発症と関連しているが、関連性の強さは不確実であり、せん妄の危険性がある人々でどの薬を避けるべきかは不明である。方法
本研究では、薬物療法とせん妄リスクとの関連を調査する前向き研究を特定するために系統的レビューを実施した。感度分析は、個々の薬剤とせん妄リスクのエビデンスヒエラルキーを構築するために行われた。結果
検索戦略によって合計18,767の研究が同定された。 そのうちの14研究が選択基準を満たした。 せん妄リスクはオピオイド(オッズ比[OR] =2.5 95%CI 1.2〜5.2)、ベンゾジアゼピン(3.0, 1.3〜6.8)、ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬(2.4, 1.0〜5.8)でそれぞれ増加が認められ、そして抗ヒスタミン薬(H1拮抗薬)で増加傾向にあった(1.8, 0.7〜4.5)。 神経弛緩薬(0.9, 0.6〜1.3)またはジゴキシン(0.5, 0.3〜0.9)によるリスク増加はなさそうであった。 H(2)拮抗薬、三環系抗うつ薬、抗パーキンソン薬、ステロイド、非ステロイド系抗炎症薬、抗ムスカリン薬に関しては不確実性があった。結論
せん妄リスクがある人々のために、ベンゾジアゼピンの新規処方を避けるか、可能であればこれらの薬を減らすか、中止することを検討してください。 せん妄リスクがある人々にはオピオイドを慎重に処方する必要がありますが、これは未治療の激しい痛みがそれ自体でせん妄を引き起こす可能性があるという観察結果によって緩和されるべきです。 せん妄のリスクがある人々のためにジヒドロピリジンおよび抗ヒスタミンH 1拮抗薬を処方し、個々の患者の評価を検討することが提唱されるときにも注意が必要である。
コメント
アブストのみ。オピオイドとベンゾジアゼピンは知っていましたが、まさかジヒドロピリジン系の薬剤もせん妄リスク増加があるとは、知りませんでした。
H1拮抗薬もできれば避けたいのでしょうが、慢性的な掻痒症状を訴える方もいますよね〜。
またH2拮抗薬については腎機能低下が強く関連しているため、こちらも個々の患者で注意した方が良い薬剤です。
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