好酸球性食道炎に対するPPIは1日2回投与の方が良い?
好酸球性消化管疾患(Eosinophilic gastrointestnal disorders, EGIDs)は、好酸球の消化管局所への異常な集積から好酸球性炎症が生じ、消化管組織が傷害され、機能不全を起こす疾患の総称です(幼児・成人好酸球性消化管疾患 診療ガイドライン 2020年)。障害される部位により好酸球性食道炎(Eosinophilic esophagitis, EoE)、胃炎(Eosinophilic gastritis, EG)、胃腸炎(Eosinophilic gastroenteritis, EGE)、大腸炎(Eosinophilic colitis, EC)に大別されます。
EoEの治療目的は①症状を改善しQOLを改善すること、②治療にともなう不利益を最小限にしながら将来発症しうる食道の線維性狭窄を予防することの2点であり、治療の第一選択薬はプロトンポンプ阻害薬(PPI)です。しかし、投与量や投与間隔、治療期間については確立されていません。
そこで今回は、オメプラゾールの投与用量、投与回数について比較検討した試験の結果をご紹介します。
本試験では、新規にEoEと診断された患者305例を対象に、標準用量(オメプラゾール20mg/日)、中等用量(40mg/日)1日1回投与、中等用量(20mg/日)1日2回投与、または高用量(40mg/日)1日2回投与のPPIを8週間以上投与されました。
試験結果から明らかになったことは?
組織学的に効果が認められた患者割合 | |
全体 | 42.3% |
1日1回投与 ・標準用量 ・中等用量 | 11.8% 10.0% |
1日2回投与 ・中等用量 ・高用量 | 52.8% 54.3% P<0.0001 vs. 1日1回投与 |
約42.3%がPPIで組織学的効果を示し、1日1回投与(標準用量11.8%/中等用量10%)よりも1日2回投与(中等用量52.8%/高用量54.3%)の方が高いことが示されました(P<0.0001)。
1日2回投与 | 調整オッズ比(信頼区間) |
中等用量 | 調整オッズ比 6.75(2.53~18.0) P=0.0008 |
高用量 | 調整オッズ比 12.8(4.69~34.8) P<0.0001 |
多変量解析では、1日2回投与の中等用量(調整オッズ比 6.75、信頼区間 2.53~18.0、P=0.0008)および高用量(調整オッズ比 12.8、信頼区間 4.69~34.8、P<0.0001)は、独立して組織学的奏効を予測しました。
コメント
好酸球性食道炎に対する第一選択薬はプロトンポンプ阻害薬(PPI)ですが、投与量や投与回数については明確にされていません。
さて、比較試験の結果、1日2回投与のPPIは1日1回投与よりもEoEの組織学的奏効率が高いことが示されました。
有料文献であるため、対象となった患者背景、試験デザイン等が不明であり、試験の内的妥当性の評価が困難です。再現性の確認も含めて更なる検証が求められます。
続報に期待。

✅まとめ✅ 比較試験の結果、1日2回投与のPPIは1日1回投与よりも好酸球性食道炎(EoE)の組織学的奏効率が高いことが示された。
根拠となった試験の抄録
はじめに:好酸球性食道炎(EoE)に対する最適なプロトンポンプ阻害薬(PPI)レジメンは不明である。我々は様々な投与法の組織学的奏効率を比較した。
方法:新規にEoEと診断された患者305例を対象に、標準用量(オメプラゾール20mg/日)、中等用量(40mg/日)1日1回投与、中等用量(20mg/日)1日2回投与、または高用量(40mg/日)1日2回投与のPPIを8週間以上投与した。
結果:約42.3%がPPIで組織学的効果を示し、1日1回投与(標準11.8%/中等度10%)よりも1日2回投与(中等度52.8%/高用量54.3%)の方が高かった(P<0.0001)。多変量解析では、1日2回投与の中等度(調整オッズ比 6.75、信頼区間 2.53~18.0、P=0.0008)および高用量(調整オッズ比 12.8、信頼区間 4.69~34.8、P<0.0001)は、独立して組織学的奏効を予測した。
考察:1日2回投与のPPIは1日1回投与よりもEoEの組織学的奏効率が高い。
引用文献
Twice-Daily Proton Pump Inhibitor Induces Higher Remission Rate in Eosinophilic Esophagitis Than Once-Daily Regimen Regardless of Total Daily Dose
Mayssan Muftah et al. PMID: 38314789 DOI: 10.14309/ajg.0000000000002712
Am J Gastroenterol. 2024 May 1;119(5):991-995. doi: 10.14309/ajg.0000000000002712. Epub 2024 Feb 5.
ー 続きを読む https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38314789/
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