季節性インフルエンザワクチン接種に対する意識と障壁の変化:2007年〜2023年(アンケート調査; J Community Health. 2023)

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季節性インフルエンザワクチン接種に対する意向に影響する要因とは?

季節性インフルエンザは、主に冬季に流行するウイルス感染症の一つです。インフルエンザウイルスのゲノムRNAは8分節しており、それぞれの分節RNA(1〜8)で、コードされているウイルスタンパクが異なっています。

インフルエンザウイルスは変異スピードが速いウイルスの代表であり、感染予防のためには基本的な感染予防対策に加えてワクチンの接種が推奨されています。

今回ご紹介するのは、大学生のインフルエンザワクチン接種に対する要因や障壁が、過去16年間でどのように変化したかを調査した研究結果です。

440人の学生からアンケートでデータを収集し、同じ大学の過去のデータと比較されました。回答者には、COVID-19の経験や、ワクチン接種の意向への影響についてもヒアリングされました。

試験結果から明らかになったことは?

ワクチン接種率
2007年12.4%
2023年30.5%

ワクチン接種率は2007年の12.4%から2023年の30.5%に増加していました。

(ワクチン未接種者)費用ワクチン接種によるインフルエンザへの恐怖副作用への恐怖情報不足
ワクチン接種の障壁28%減少20%減少17%減少15%減少

ワクチン未接種者では、費用、ワクチン接種によるインフルエンザへの恐怖、副作用への恐怖、情報不足がそれぞれ28%、20%、17%、15%減少していました。

時間、利便性、リスク認知は依然としてワクチン接種の大きな障壁となっていることがわかりました。

学生たちは、医療従事者や親からワクチン接種を勧められることが多くなっていることも明らかとなりましたが、その効果は薄れてきているようでした。

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流行性感染症であるインフルエンザは、定期的に流行を繰り返し、人類の生産性低下を引き起こします。また、化学療法により免疫力の低下した患者や高齢者においては、重症化や死亡リスクが増加するため、基本的な感染予防対策の一つとしてワクチン接種が推奨されています。

しかし感染予防のための集団免疫の獲得において、ワクチンの接種率は充分とは言えません。

さて、440人の学生を対象としたアンケート調査の結果、COVID-19の大流行により、ワクチン接種に対する考え方が変化していることが明らかとなりました。ワクチン接種の動機は、個人の安全への関心から公共の安全への関心へと変化しているようでした。

このような変化は、2019年に登場したSARS-CoV-2が契機になっていると考えられます。今後も、ワクチン接種に関する人々の意識・態度がどのように変化していくのか、継続的なモニタリングが求められます。

続報に期待。

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✅まとめ✅ COVID-19の大流行により、ワクチン接種に対する考え方が変化していた。ワクチン接種の動機は、個人の安全への関心から公共の安全への関心へと変化しているようであった。

根拠となった試験の抄録

背景:本研究では、大学生のインフルエンザワクチン接種に対する要因や障壁が、過去16年間でどのように変化したかを調査した。

方法:440人の学生からアンケートでデータを収集し、同じ大学の過去のデータと比較した。回答者には、COVID-19の経験や、ワクチン接種の意向への影響についても尋ねた。

結果:ワクチン接種率は12.4%から30.5%に増加していた。ワクチン未接種者では、費用、ワクチン接種によるインフルエンザへの恐怖、副作用への恐怖、情報不足がそれぞれ28%、20%、17%、15%減少した。時間、利便性、リスク認知は依然としてワクチン接種の大きな障壁となっている。学生たちは、医療従事者や親からワクチン接種を勧められることが多くなっているが、その効果は薄れてきている。

結論:COVID-19の大流行により、ワクチンに対する考え方が変わり、ワクチン疲れが大きな要因となっている。さらに、政治的信条がインフルエンザワクチン接種の予測因子となり、保守派はワクチン接種をしにくくなっている。また、個人の安全への関心から公共の安全への関心へと動機が変化している。

キーワード:COVID-19、季節性インフルエンザワクチン、ワクチン疲労、ワクチンためらい(Vaccine hesitancy)

引用文献

Changes in Attitudes and Barriers to Seasonal Influenza Vaccination from 2007 to 2023
Ty J Skyles et al. PMID: 37697225 DOI: 10.1007/s10900-023-01277-7
J Community Health. 2023 Sep 11. doi: 10.1007/s10900-023-01277-7. Online ahead of print.
ー 続きを読む https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37697225/

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