COVID-19患者の支持療法への免疫グロブリン(IVIG)上乗せ効果はどのくらいですか?

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COVID-19に対する免疫グロブリンの効果とは?

COVID-19ではサイトカインストームと呼ばれる免疫の暴走化が引き起こされ、炎症症状が悪化します。その結果、体内で免疫細胞により正常な細胞が攻撃されてしまいます。

静脈内免疫グロブリン(Intravenous immunoglobulin, IVIG)は免疫細胞やサイトカインに働きかけ、異常な免疫反応を制御し、過剰活性を抑制します。

重症インフルエンザ感染症において、IVIGの有用性が示されています。そこで、COVID-19にもIVIGが有用であるか否か検証した研究結果をご紹介します。

重症COVID-19にIVIGは効かない?

試験結果によれば、ヒドロキシクロロキン、ロピナビル/リトナビル、支持療法を受けている重症COVID-19患者に対するIVIGの追加は、死亡率、機械的人工呼吸の必要性に有意差がなく入院期間を有意に延長させました。さらに入院からIVIG開始までの時間と、生存者の入院期間およびICU滞在期間との間には、有意な正の関係が認められました。

ヒドロキシクロロキンとロピナビル/リトナビルが併用されているため、IVIGの正味の効果は不明です。つまりヒドロキシクロロキンとロピナビル/リトナビルにより、COVID-19患者の病態が悪化している可能性があります。

また本試験は小規模な検討ですので、今後の臨床試験により結果が覆る可能性は充分にあります。

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まとめ 重症COVID-19に対する支持療法への免疫グロブリン(IVIG)上乗せ効果は死亡率、機械的人工呼吸の必要性に差がなく、入院期間が延長するかもしれない

根拠となった論文の抄録

背景:新たに発見されたコロナウイルスは、コロナウイルス病2019(COVID-19)のパンデミックと化し、空前の勢いで猛威を振るっている。重症H1N1感染症の治療に静脈内免疫グロブリン(IVIG)を使用することに関する先行研究の知見と、ウイルス負荷および死亡率の低減に関する満足のいく結果を考慮し、本研究は重症症例の管理におけるIVIGの潜在的有用性を検討することを目的とした。

方法:このランダム化比較試験には患者84例が参加した。IVIG投与群52例、対照群32例の計84例を組み入れた。介入群にはIVIgを400mg/kgの用量で1日3日間点滴静注した。両群ともにヒドロキシクロロキン、ロピナビル/リトナビル、支持療法を受けた。人口統計学的データ、死亡率、機械換気の必要性、入院期間および集中治療室(ICU)での滞在期間、画像所見を記録し、これらの要因について比較した。

結果:入院からIVIG開始までの平均時間は3.84±3.35日であった。死亡率(P値=0.8)、機械的人工呼吸の必要性(P値=0.39)については、両群間に有意差はなかった。入院期間の長さは、対照群の方が介入群よりも有意に短かった(P値=0.003)。入院からIVIG開始までの時間と、生存者の入院期間およびICU滞在期間との間には、有意な正の関係があった(それぞれP値<0.001および=0.01)。

結論:重症COVID-19症例の治療におけるヒドロキシクロロキンおよびロピナビル/リトナビルとの併用によるIVIGの使用を支持するものではなかった。

引用文献

Evaluating the effects of Intravenous Immunoglobulin (IVIg) on the management of severe COVID-19 cases: A randomized controlled trial
Payam Tabarsi et al. PMID: 33214093 PMCID: PMC7665876 DOI: 10.1016/j.intimp.2020.107205
ー続きを読む https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33214093/

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