布製フェイスマスクのSARS-CoV-2感染予防効果はどのくらいですか?(SR&MA; J Educ Health Promot. 2020)

boy in blue long sleeve shirt wearing face mask COVID-19 新型コロナウイルス感染症
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Efficacy of cloth face mask in prevention of novel coronavirus infection transmission: A systematic review and meta-analysis

Suresh K Sharma et al.

J Educ Health Promot. 2020 Jul 28;9:192. doi: 10.4103/jehp.jehp_533_20. eCollection 2020.

PMID: 33015206

PMCID: PMC7497125

DOI: 10.4103/jehp.jehp_533_20

Keywords: COVID-19; face masks; homemade mask; viral infection.

背景

新型コロナウイルスは、マスクから侵入するには十分に小さい(0.08~0.14μm)と考えられており、布マスクでは防御力が低すぎる可能性がある。しかし、米国疾病対策予防センターや各国の規制機関では布製マスクの使用が推奨されている。

布マスクのSARS-CoV-2感染予防効果に関する文献は少ないため、本レビューでは布マスクのウイルス感染予防効果に関する最新のエビデンスを更新することを目的としている。

方法

MEDLINE、EMBASE、Clinical Trials Registerをフリーテキスト用語とMeSH用語を用いて検索し、本レビューに関連する研究を同定した。

布マスクの有効性に関する実験研究と観察研究のうち、専門家の意見、解説、論説、総説を除き、英語で発表されたものを本レビューの対象とした。

データ抽出のために研究 12 件をレビュー対象とし、抽出されたデータから質的合成を行ったが、研究間の不均質性が深刻であったため、定量的分析(メタアナリシス)は実施できなかった

結果

・布マスクは医療用マスクに比べて感染源予防策において最小の有効性を示した。

・布マスクのろ過効果は、使用する素材の種類、層数、マスク中の水分量、マスクの顔へのフィット感などによって異なる。

結論

布マスクは、ウイルス感染症の伝播と闘う上での有効性が限られている。しかし、SARS-CoV-2感染の拡大を防ぐために、物理的な近接性を伴う閉鎖的で混雑した屋内および屋外の公共空間で使用することができる。

コメント

布製マスクは有効性が低い?

マスクにはいくつか種類があり、中でも布製マスクにおいて他のマスクと比較して、有効性に懸念が生じています。事実、以前に手術用マスクと比較された試験において、布製マスクはインフルエンザ様疾患の罹患率が高い(relative risk 13.25, 95% confidence interval [CI] 1.74〜100.97)ことが示されており、特に医療従事者に対しては布製マスクの使用は推奨されていません。医療資源に限りがあり、医療用マスクが用意できない場合にのみ、布製マスクの使用が推奨されています。

SARS-CoV-2は飛沫感染する

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因となるSARS-CoV-2は、飛沫感染することが明らかとなっています。飛沫の大きさはウイルスよりも大きいため、ウイルス単独では透過するようなマスクの隙間を透過できません。したがって、マスクを着用する目的は、ウイルスの透過を防ぐことではなく、そのウイルスを含む飛沫を防ぐことです。

本研究から明らかになったことは?

布マスクは医療用マスクに比べて感染予防において最小の有効性を示しました。この点については、以前の報告と矛盾していませんでした。

布マスクのろ過効果は、使用する素材の種類、層数、マスク中の水分量、マスクの顔へのフィット感などによって異なるようです。ここからは推測になりますが、マスクによるウイルス感染症予防効果は様々な要因が重なるため、効果推定値が様々であり、研究間の異質性に繋がっていると考えます。

全国民へ医療用マスクを配布することは現実的でないため、たとえ有効性が低いとしても、集団で布製マスクを着用することによりCOVID-19パンデミックを抑えられる可能性があります。ただし、マスク着用のみでは、やはり感染予防策としては不充分であることから、手洗いの徹底、ソーシャル(フィジカル)ディスタンスも合わせて実施していく必要があります。

✅まとめ✅ 組み入れられた研究12件は、研究間の不均質性が深刻であったため、メタアナリシスを実施できなかった

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