糖尿病および心血管疾患における低用量の抗血小板薬・抗凝固薬の併用療法の効果はどのくらいですか?(事前指定追加解析; COMPASS trial; Circulation. 2020)

Role of Combination Antiplatelet and Anticoagulation Therapy in Diabetes Mellitus and Cardiovascular Disease: Insights From the COMPASS Trial

Deepak L Bhatt et al. COMPASS Steering Committee and Investigators

Circulation. 2020 Jun 9;141(23):1841-1854. doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.120.046448. Epub 2020 Mar 28.

PMID: 32223318

PMCID: PMC7314494

DOI: 10.1161/CIRCULATIONAHA.120.046448

Registration: URL: https://www.clinicaltrials.gov; Unique identifier: NCT01776424.

Keywords: anticoagulants; coronary artery disease; diabetes mellitus; peripheral artery disease; platelet aggregation inhibitors.

背景

冠動脈疾患または末梢動脈疾患が確立している患者は、しばしば糖尿病を有している。これらの患者は将来の血管イベントのリスクが高い。

方法

COMPASS試験(Cardiovascular Outcomes for People Using Anticoagulation Strategies)の事前に指定された解析において、糖尿病患者とそうでない患者を対象に、リバロキサバン(2.5mg、1日2回)およびアスピリン(100mg、1日1回)の主要な血管イベントの予防効果について、プラセボおよびアスピリンとの比較を行った。

有効性の主要アウトカムは、心血管死、心筋梗塞、脳卒中のいずれかを複合したものだった。

副次的エンドポイントは、全死亡およびすべての主要な血管イベント(心血管死、心筋梗塞、脳卒中、または切断を含む主要な有害下肢イベント)であった。

安全性の主要エンドポイントは、大出血に対する国際血栓止血学会基準の修正であった。

結果

・試験全体では糖尿病患者が10,341例、糖尿病なしが17,054例であった。

・主要アウトカムの有効性評価では、糖尿病患者(n=6,922)とそうでない患者(n=11,356)の両方において、リバーロキサバン+アスピリン(n=9,152)とプラセボ+アスピリン(n=9,126)の有効性は一貫して類似した相対リスクの減少が認められた。

主要アウトカム

★糖尿病 :ハザード比 0.74、P=0.002、Pinteraction=0.77

★非糖尿病:ハザード比 0.77、P=0.005、Pinteraction=0.77

全死亡

★糖尿病 :ハザード比 0.81、P=0.05、Pinteraction=0.82

★非糖尿病:ハザード比 0.84、P=0.09、Pinteraction=0.82

・しかし、糖尿病患者と非糖尿病患者では、絶対的なリスク低減効果は数値的には大きくなったが、両サブグループとも同等の効果が得られた。

3年後の主要アウトカム発生率

★糖尿病 2.3% vs. 非糖尿病 1.4%、Gail-Simonの質的Pinteraction<0.0001

3年後の全死亡率

★糖尿病 1.9% vs. 非糖尿病 0.6%、Pinteraction=0.02

主要血管イベント

★糖尿病 2.7% vs. 非糖尿病 1.7%、Pinteraction<0.0001

・出血ハザードは糖尿病患者と非糖尿病患者で同程度であったため、リバーロキサバンの推定純利益は糖尿病患者で特に良好であった(2.7% vs. 1.0%、Gail-Simonの定性的なPinteraction=0.001)。

結論

安定した動脈硬化症において、アスピリンとリバーロキサバン2.5mgを1日2回投与した場合、糖尿病の有無にかかわらず、冠動脈、脳血管、末梢の各エンドポイントにおいて同程度の相対的効果が得られた。

ベースラインリスクが高い糖尿病患者では、全死亡率が3倍に減少するなど、絶対的な効果は糖尿病患者で大きくなった。

コメント

COMPASS試験のサブ解析。事前指定された追加解析の結果、糖尿病患者においてアスピリンとリバーロキサバン2.5mg(1日2回)投与した場合、非糖尿病患者と比較して、絶対的な効果が大きかったようです。あくまでも仮説生成的な結果ではありますが、過去の検討結果と同様でした。ただし、アスピリン+プラセボの併用と比較すると、やはりアスピリン+リバーロキサバン2.5mg(1日2回)併用において、出血リスクの増加が認められました。出血リスクについては、どちらの患者集団においてもハザード比は同様でした(糖尿病:HR 1.70 vs. 非糖尿病 1.69)。

よりベースラインリスクの高い糖尿病患者においては、抗血小板薬と抗凝固薬の併用について検討しても良いのかもしれません。

✅まとめ✅ 安定した動脈硬化症を有する患者においては、低用量アスピリン療法と比較して、低用量リバーロキサバン+低用量アスピリン併用療法の方が、冠動脈、脳血管、末梢の各エンドポイントにおいて同程度の相対的効果が得られ、この効果は糖尿病患者においてより大きかった

✅まとめ✅ 低用量アスピリン療法と比較して、低用量リバーロキサバン+低用量アスピリン併用療法の方が、出血リスクは高かったが、糖尿病の有無で出血リスクに差は認められなかった

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