SGLT2阻害薬使用による下肢切断リスクはどのくらいですか?(定量的メタ解析; Diabetes Obes Metab. 2020)

Sodium-glucose co-transporter-2 inhibitors and major adverse limb events: A trial-level meta-analysis including 51,713 individuals

Chen-Yu Huang et al.

Diabetes Obes Metab. 2020.

PMID: 32744411

DOI: 10.1111/dom.14159

Keywords: amputation, diabetes, lower extremity arterial disease, SGLT-2 inhibitors.

目的

ナトリウム-グルコース共輸送体-2(SGLT-2)阻害薬の大規模心血管アウトカム試験を分析し、下肢の重大有害事象の全体的な、あるいは様々な高リスク患者のサブグループ間での安全性に懸念があるかどうかを評価する。

方法

2 型糖尿病患者を対象とした SGLT-2 阻害薬のランダム化プラセボ対照心血管アウトカム試験の定量的メタアナリシスを行った。

PubMed、EmbaseおよびCochraneデータベースを検索し、2020年6月30日までに発表された試験を対象とした。

解析された有効性アウトカムには切断が含まれ、年齢、糖尿病の持続期間、血糖コントロール、腎機能、既往の末梢動脈疾患、糖尿病微小血管合併症など、いくつかのサブグループ変数によって層別化されていた。

本レビューは解析終了前に登録された。

結果

・特定された記録383件のうち、以下の3つのSGLT-2阻害薬を評価した研究6件が包含基準を満たしていた:エンパグリフロジン(EMPA-REG OUTCOME試験)、カナグリフロジン(CANVASプログラムおよびCREDENCE試験)、ダパグリフロジン(DECLARE-TIMI 58試験およびDAPA-HF試験)、erutuglifozin(VERTIS CV試験)。

・合計51,713例のうち,858例が切断手術を必要とした。

・切断手術の発生率は、SGLT-2 阻害薬群で 2.0%(535/26,778)、対照群で 1.3%(323/24,927)であった。

・ランダム効果モデルにより、SGLT-2阻害薬は実質的な不均一性を有し、切断のリスク増加と有意に関連していないことが明らかになった。

★プールされたリスク比 1.24、95%信頼区間 0.96~1.60;I2=67.5%

・SGLT-2阻害薬のこの中立的効果は、確立した末梢動脈疾患(PAD)の有無を含む異なるレベルのサブグループ間でも一貫していた。

結論

SGLT-2阻害薬は、PAD患者を含む様々なハイリスクサブグループ間でも、切断手術のリスク増加とは関連していない。

切断イベントは主に急性下肢虚血ではなく、重症下肢虚血と感染症から生じる。

これらの結果を確認し、臨床実践のためのガイドラインを提供するためには、より長い追跡調査を伴う重大な有害下肢イベントに焦点を当てた多施設研究が必要である。

コメント

SGLT-2阻害薬であるカナグリフロジンにより、下肢切断リスク増加の可能性が示されていました。カナグリフロジン以外のSGLT-2阻害薬については、下肢切断リスクは示されていないものの、SGLT-2阻害薬の作用機序から、下肢切断や脳卒中などの虚血イベントのリスク増加の可能性は否定できません。

さて、本試験結果によれば、SGLT-2阻害薬使用は、プラセボと比較して下肢切断リスクを増加させませんでした。ただし、I2は67.5%と中等度の異質性が認められました。また絶対差は0.7%、NNHは143でした。同試験内で心血管イベントを抑制するためのNNTと比較しないことには、リスク・ベネフィットを計れません。さらに本試験は異質性が中等度と、やや高めであることから、今後の臨床試験により結果が変わる可能性は充分にあります。なお、本試験に組み入れられたのはプラセボ対照のRCTのみです。下肢切断リスクについては、より長期かつサンプルサイズの大きい観察研究の結果も検証した方が良いかもしれません。

引き続き追っていきたいところです。

✅まとめ✅ SGLT-2阻害薬はPAD患者を含む様々なハイリスクサブグループ間でも、下肢切断のリスク増加とは関連しておらず、下肢切断は主に重症下肢虚血と感染症により生じていた

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