エドキサバンはビタミンK拮抗薬よりも優れていますか?(RCTのSR&MA; Thromb Res. 2020)

The risk of bleeding and all-cause mortality with edoxaban versus vitamin K antagonists: A meta-analysis of phase III randomized controlled trials

Hai-Bin Chen et al.

Thromb Res. 2020 Jun 15;194:82-90. doi: 10.1016/j.thromres.2020.06.009. Online ahead of print.

PMID: 32788125

DOI: 10.1016/j.thromres.2020.06.009

Keywords: All-cause mortality; Bleeding; Edoxaban; Meta-analysis; Vitamin K antagonists.

序論

エドキサバンは経口の第Xa因子阻害薬であり、抗血栓作用が証明されている。しかし、エドキサバンとビタミンK拮抗薬(VKA)を比較した場合の出血や全死亡のリスクは不明である。

方法

エドキサバンとビタミンK拮抗薬(VKA)に関するすべての研究をシステマティックに検索した。

1966年1月から2020年2月20日までに発表された関連論文をPubMed、CENTRALデータベース、およびwww.clinicaltrial.govで検索した。

エドキサバンとVKAを併用した患者の出血リスクと全死亡率を比較した第III相ランダム化比較試験(RCT)はすべてメタ解析の対象とした。

第III相RCT間のデータプールには、ランダム効果モデルと固定効果モデルの両方を使用した。

結果

・我々の包含基準を満たした試験4件(n = 33,077)を組み入れた。これらの試験には心房細動(3試験、n = 24,847)、静脈血栓塞栓症(VTE)または肺塞栓症(PE)の患者(1試験、n = 8,240)が含まれていた。

・エドキサバンは、主要または臨床的に関連のある非主要出血(clinically relevant nonmajor bleeding, CRNM)イベント(OR 0.78、95%CI 0.68~0.89)、任意の出血イベント(OR 0.76、95%CI 0.72~0.80)、頭蓋内出血イベント(OR 0.38、95%CI 0.29~0.48)のリスクの低下と関連していた。

・消化管出血(OR 0.95、95%CI 0.79~1.13)、何らかの原因による死亡(OR 0.97、95%CI 0.80~1.19)、脳卒中(OR 1.00、95%CI 0.88~1.14)、全身性塞栓性イベント(OR 0.93、95%CI 0.57~1.51)のリスクはエドキサバンとVKAの間で同等であった。

結論

VKAと比較して、エドキサバンは直接経口抗凝固薬として安全であり、重症またはCRNM、頭蓋内出血イベントのリスクが減少し、消化管出血イベントおよび全死亡のリスクも同様に減少した。

コメント

心房細動や静脈血栓塞栓症、肺塞栓症に対しワーファリンをはじめとするビタミンK拮抗薬(VKA)、エドキサバン(リクシアナ®️)などのDOACが使用されていますが、各イベントに対する薬剤効果を比較した研究は少ないです。

さて、本試験結果によれば、DOACであるエドキサバンは、VKAと比較して、臨床的に関連のある非主要出血イベント、任意の出血イベント、頭蓋内出血イベントが少なかったとのこと。一方、消化管出血、何らかの原因による死亡、脳卒中、全身性塞栓性イベントに差は認められませんでした。

ただし、今回組み入れられた研究数は少ないため、今後の試験結果により結果が変わる可能性は充分にあります。

これまで実施されてきた比較試験においては、ビタミンK拮抗薬に不利な試験条件である可能性が高いと考えられます。したがって、出血イベントについて、VKAに対しNOACの方が出血イベントのリスクが少ないのも理解できます。

個人的には、特段の理由がなければ、まずはVKAを使用し、骨折リスクや嗜好品(納豆や生野菜、果物など)、あるいは出血リスクの高い患者においてはNOACの使用を考慮した方が良いと考えます。

✅まとめ✅ 静脈血栓塞栓症または肺塞栓症に対するエボキサバン使用は、ビタミンK拮抗薬よりも消化管以外の出血イベントが少なく、死亡、脳卒中、全身性塞栓性イベントに差はなかった

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