ワルファリンおよび非ステロイド性抗炎症薬への暴露による出血リスクはどのくらいですか?(SR&MA; Thromb Haemost. 2020)

Risk of Bleeding With Exposure to Warfarin and Nonsteroidal Anti-Inflammatory Drugs: A Systematic Review and Meta-Analysis

Lorenzo Villa Zapata et al.

Thromb Haemost. 2020 Jul;120(7):1066-1074. doi: 10.1055/s-0040-1710592. Epub 2020 May 26.

PMID: 32455439

DOI: 10.1055/s-0040-1710592

背景

ワルファリンの使用は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と併用した場合、単独で、または薬物-薬物相互作用の結果として出血の発生を引き起こす可能性がある。

目的

本論文では、ワルファリンとNSAIDsの併用における出血リスクを、ワルファリン単独服用者と比較して検討する(Prospero Registry ID 145237)。

方法

PubMed、EMBASE、Scopus、Web of Science を検索した。

主要アウトカムは消化管出血と一般的な出血であった。ランダム効果モデルを用いて治療効果の平均を推定するために要約効果を計算した。

異質性はCochranのQとI2を用いて評価し、バイアスリスクはAgency for Healthcare Research and Qualityのバイアス評価ツールを用いて評価した。

結果

・合計651件の研究が同定され、そのうち11件がメタアナリシスの包含基準に合致した。

ワルファリンとNSAIDsに曝露された場合の消化管出血のオッズ比(OR)は1.98(95%信頼区間[CI] 1.55~2.53)であった。

・ワルファリン単独と比較してCOX-2阻害薬とワルファリンへの曝露でも消化管出血リスクが有意に上昇した(OR =1.90、95%信頼区間[CI] 1.46〜2.46)。

ワルファリンとNSAIDsとの併用では、ワルファリン単独と比較して全身出血リスクが増加した(OR =1.58、95%CI 1.18〜2.12)また、COX-2阻害薬では増加傾向だった(OR = 1.54、95%CI 0.86〜2.78)。

結論

出血リスクは、ワルファリンとNSAIDまたはCOX-2阻害薬を併用している患者では、ワルファリン単独で服用している患者と比較して有意に増加する。これらの薬剤の併用について患者に注意を促すことが重要である。

コメント

ワルファリンおよびNSAIDsは共にCYP(CYP2C9が主)で代謝されるため、相互作用により、ワルファリンの抗凝固作用が増強し、出血リスクが増加する可能性が報告されています。

さて、本試験結果によれば、ワルファリンとNSAIDs(選択的COX-2阻害薬も含む)の併用により消化管出血および全身出血リスクの増加が示されました。選択的COX-2阻害薬との併用では、全身出血リスクの増加傾向が示されましたが、95%信頼区間は1を跨いでいます(0.86〜2.78)。

この値(95%CI 0.86〜2.78)からリスクがないと判断するのは誤りであると考えます。区間推定値が1を跨ぐか否かは、あくまでも統計学的解析において有意か否かを判断するにすぎません。点推定値は1.54であり、全身出血リスクとしては、やはり増加傾向です。注意するに越したことはありません。

ちなみに、RE-LY試験の事後解析(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30012318/)など)でも、抗凝固薬およびNSAIDsの併用により同様のリスク増加が示されています。

特に出血リスクの高いワルファリン服用患者においては、NSAIDs使用に注意が必要かもしれません。

✅まとめ✅ ワルファリンおよびNSAIDsの併用は消化管出血および全身出血リスクが有意に増加した

✅まとめ✅ ワルファリンおよびCOX-2阻害薬の併用においても消化管出血リスクは有意に増加し、全身出血リスクは増加傾向であった

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