初発心筋梗塞の入院患者における並存症と静脈血栓塞栓症リスクとの関連性はどのくらいですか?(デンマーク人口ベース コホート研究; J Thromb Haemost. 2020)

Comorbidity and Risk of Venous Thromboembolism After Hospitalization for First-Time Myocardial Infarction: A Population-Based Cohort Study

Morten Würtz et al.

J Thromb Haemost. 2020 Apr 22. doi: 10.1111/jth.14865. Online ahead of print.

PMID: 32319179

DOI: 10.1111/jth.14865

Keywords: comorbidity; epidemiology; myocardial infarction; pulmonary embolism; venous thrombosis.

背景

心筋梗塞(MI)は静脈血栓塞栓症(VTE)の危険因子である。併存疾患は心筋梗塞の予後に影響するが、心筋梗塞後の静脈血栓塞栓症リスクに影響するかどうかは不明である。

目的

我々は、併存疾患が心筋梗塞後の静脈血栓塞栓症リスクに及ぼす影響を検討した。

方法

デンマークにおける心筋梗塞の初回入院とその後のVTEの発生(1995年~2013年)を特定するために、全国規模の人口ベースの登録を使用した。

性、年齢、および併存疾患別に、心筋梗塞患者と一般集団を5対1の割合でマッチングさせた比較コホートを対象とした。

VTEの30日および1~12ヵ月間の累積リスク、発生率、ハザード比を算出した。また、心筋梗塞と併存疾患の間の相互作用(心筋梗塞と併存疾患の両方を有する患者における過剰なVTEリスクと定義)を、相互作用の対照および相互作用に関連する帰属分率を計算することにより評価した。

結果

・心筋梗塞コホート(n=160,338)において、30日および1~12ヵ月間のVTEリスクは、0.6%および0.5%、比較コホート(n=792,384)では0.03%および0.3%であった。

・心筋梗塞コホートにおけるVTEの30日ハザード比は23(95%信頼区間 20〜27)であり、1年間の追跡期間中に減少した。

・心筋梗塞後30日目に、心筋梗塞と併存疾患との相互作用において、心筋梗塞患者のVTE発生率は、低~中等度の並存疾患で16%および高度の併存疾患で39%を占めた。

・相互作用は主に片麻痺と癌によるものであった。

結論

心筋梗塞後30日目のVTEリスクは一般集団と比較して大幅に増加した。VTEの絶対リスクは低かったが、併存疾患、特に片麻痺と癌がこのリスクを大幅に増加させた。

このような高リスクの患者にはVTEの予防が必要であるかもしれないが、さらなる調査が必要である。

コメント

心筋梗塞患者における静脈血栓塞栓症(VTE)リスクの増加については、これまでにも報告されています。

さて、本試験結果によれば、心筋梗塞コホートにおけるVTEの30日ハザード比は23(95%信頼区間 20〜27)と、一般コホートと比較して大幅に増加していました。ここまでの報告は、以前と矛盾しません。

本試験の特徴は、並存疾患によりリスクの程度が変化するか検証している点です。心筋梗塞患者のVTE発生率は、低~中等度の並存疾患で16%、高度の併存疾患で39%であり、相互作用は主に片麻痺と癌によるものとのこと。

どちらも血行動態に関与していることから、VTEリスクの増加と関与していそうですが、あくまでも仮説生成的な結果です。

どのような患者で、VTEリスクが増加するのかについては、引き続き関連する研究を追っていきたいと思います。

✅まとめ✅ VTEリスクは一般コホートと比較して、心筋梗塞コホートでは大幅に増加する可能性が認められた。特に片麻痺と癌がこのリスクを大幅に増加させたのかもしれない

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