韓国におけるRAAS阻害薬の使用とCOVID-19感染との関連性はどのくらいですか?(韓国 人口ベース症例対照研究; Hypertension. 2020)

Association Between Renin-Angiotensin-Aldosterone System Inhibitors and COVID-19 Infection in South Korea

Minkook Son et al.

Hypertension. 2020 Jul 13;HYPERTENSIONAHA12015464. doi: 10.1161/HYPERTENSIONAHA.120.15464. Online ahead of print.

PMID: 32654557

DOI: 10.1161/HYPERTENSIONAHA.120.15464

Keywords: COVID-19; Republic of Korea; antihypertensive agents; hypertension; renin-angiotensin system.

背景

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)は、呼吸器上皮に発現するACE2(アンジオテンシン変換酵素2)と相互作用して宿主細胞に感染することが知られている。

レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)阻害剤によるACE2発現の変化がコロナウイルス疾患2019(COVID-19)の感染性と重症度に寄与するかどうかが懸念されている。

方法

韓国の国民健康保険制度が提供する集団ベースのデータを用いて、RAAS 阻害薬と COVID-19 感染のリスクおよび重症度との関連を調べるために、ケースコントロール研究を実施した。

結果

・高血圧患者16,281人のうち、COVID-19感染が確認されたのは950人(5.8%)であった。

・症例対照のマッチング後、多変量調整条件付ロジスティック回帰分析を行った。

・RAAS阻害薬への曝露と非曝露を比較したCOVID-19感染および長期入院の調整オッズ比および95%CIは、それぞれ1.161(0.958~1.407)および0.863(0.533~1.397)であった。

・集中治療室入院、高流量酸素療法、および死亡について、RAAS阻害薬への曝露と非曝露を比較すると、調整オッズ比(95%CI)はそれぞれ1.515(0.4025.701)、0.663(0.272〜1.619)、および1.363(0.513〜3.662)であった。すべての解析において、P値は有意ではなかった(P>0.05)。

結論

本研究は、RAAS阻害薬への曝露とCOVID-19感染のリスクおよび重症度との間に識別可能な関連がないことを示しており、COVID-19の感染または重症化のリスクが高まることを懸念して患者はRAAS阻害薬を中止すべきではないという現在の医学的ガイドラインおよび勧告を支持するものである。

コメント

RAAS阻害薬とCOVID-19との関連性について韓国で実施された症例対照研究。COVID-19感染や重症化について、RAAS阻害薬使用との関連性が以前から報告されています。

さて、本試験結果によれば、RAAS阻害薬の使用と、COVID-19アウトカムとの関連性は示されませんでした。ただし、効果推定値をみると集中治療室入院の調整オッズ比は1.515(0.402〜5.701)、高流量酸素療法は0.663(0.272〜1.619)、死亡は1.363(0.513〜3.662)であり、高流量酸素療法はリスク低下傾向、集中治療室入院および死亡についてはリスク増加傾向です。

試験の限界としては、症例対照研究であるため仮説生成的な結果であると考えます。しかし過去の研究結果も含めると、今回の結果は、そこまでアウトカムに影響がない程度(誤差)であると考えます。

✅まとめ✅ 高血圧患者におけるRAAS阻害薬の使用はCOVID-19アウトカムと関連していないかもしれない

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