中国・武漢の医療従事者におけるCOVID-19に対する個人用保護具(PPE)の使用状況はどのくらいですか?(横断研究; BMJ 2020)

Use of Personal Protective Equipment Against Coronavirus Disease 2019 by Healthcare Professionals in Wuhan, China: Cross Sectional Study

Min Liu et al.

BMJ. 2020 Jun 10;369:m2195. doi: 10.1136/bmj.m2195.

PMID: 32522737

PMCID: PMC7284314

DOI: 10.1136/bmj.m2195

目的

コロナウイルス疾患2019(COVID-19)患者にケアを提供した最前線の医療従事者を対象に、適切な個人用保護具の保護効果を検討すること。

試験デザイン

横断研究。

試験設定

中国武漢市の病院4施設。

試験参加者

2020年1月24日から4月7日までの6~8週間、孫文大学と南部医科大学南方病院それぞれの関連病院2施設から武漢に派遣された医療従事者420例(医師116例、看護師304例)。

これらの研究参加者には、COVID-19で入院した患者に医療を提供するための適切な個人用保護具が提供され、エアロゾルの発生手順に関与していた。

抗体検査の精度を検証するために、COVID-19曝露歴のない医療従事者77例、およびコCOVID-19から回復した患者80例を募集した。

主要アウトカム指標

COVID-19関連症状(発熱、咳、呼吸困難)および重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染の証拠(鼻咽頭拭い液swab中のウイルス特異的核酸の陽性検査、または血清サンプル中のIgM抗体またはIgG抗体の陽性検査として定義)。

結果

・試験参加者の平均年齢は35.8歳で、女性が68.1%(286/420例)であった。参加者は週平均5.4日、4~6時間のシフト勤務で、集中治療室では毎週平均16.2時間勤務していた。

・研究参加者420例の全員がCOVID-19患者と直接接触し、少なくとも1回のエアロゾル発生手順を行った。

・武漢での派遣期間中、研究参加者は誰一人としてCOVID-19に関連する症状を報告しなかった。帰国後、参加者全員がSARS-CoV-2特異的核酸およびIgM抗体またはIgG抗体で陰性であった(95%信頼区間0.0~0.7%)。

結論

安全で効果的なワクチンが利用できるようになる前に、医療従事者は依然としてCOVID-19 の影響を受けやすい。曝露のリスクが高いにもかかわらず、研究参加者は適切に保護され、SARS-CoV-2に対する感染や防御免疫の発現はなかった。

医療システムは、個人用保護具の調達と配布を優先し、その使用について医療従事者に十分なトレーニングを提供しなければならない。

コメント

SARS-CoV-2感染によるCOVID-19患者の対応において、医療従事者への感染を防ぐために個人用保護具(Personal Protective Equipment, PPE)が用いられます。

さて、中国・武漢市の病院4施設において、医療従事者はPPEを適切に使用していたようです。抗原検査および抗体検査を実施したところ、医療従事者420例において感染は確認されませんでした。ただし、それぞれの検査精度を考慮すると、不顕性感染の可能性は除外できませんが、本試験では陰性対照と陽性対照を設定していますので、感染率を比較することしで結果の信頼性を高めていると考えます。

試験デザインについてですが、横断研究としては、やや試験の質が低くなると考えられます。試験の精度を高めるために、異なる期間で複数回(大抵は2回)の試験実施が必要であると考えます。

また著者も述べていますが「COVID-19流行期間中の病院」という特殊かつ感染の高リスク環境での試験結果ですので、市中でPPEを使用する機会はないと思いますが、本試験結果を他の環境における医療従事者や一般人へ外挿はできません。

今後の追跡結果に注目していきたいところです。

✅まとめ✅ COVID-19流行中の高リスク感染環境(病院)において、適切なPPE使用は感染予防に有効であると考えられ、PPEの調達・配布だけでなく、その使用について医療従事者に十分なトレーニングを提供する必要がある

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