閉塞性睡眠時無呼吸症候群を併発する心房細動患者における神経学的イベントおよび主要心血管リスクはどのくらいですか?(後向きコホート研究; Am Heart J. 2020)

Risk of Major Cardiovascular and Neurologic Events With Obstructive Sleep Apnea Among Patients With Atrial Fibrillation

Frederik Dalgaard et al.

Am Heart J. 2020 May.

PMID: 32179257

PMCID: PMC7214210 (available on 2021-05-01)

DOI: 10.1016/j.ahj.2020.01.001

背景

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は心房細動(AF)の危険因子として知られている。 しかし、OSAがAF患者の心血管系および神経学的転帰の悪化と独立して関連しているかどうかは不明である。

方法

ORBIT-AF IおよびORBIT-AF IIを用いて、OSAの有無にかかわらず心房細動患者22,760人を対象としたレトロスペクティブコホート研究を実施した。

調整済み多変量Cox比例ハザードモデルを用いて、OSAが主要な心臓・神経有害事象(MACNEs)(心血管死、心筋梗塞、脳卒中/一過性脳虚血発作/非中枢神経系塞栓症(脳卒中/SE)、新規発症心不全)のリスク増加と関連しているかどうかを、複合または個別に検討した。

結果

・合計4,045例(17.8%)の患者がベースライン時にOSAを有していた。

・追跡期間中央値は1.5年(四分位間範囲:1〜2.2年)で、1,895例でMACNEが発生した。

・OSA患者は若年者(中央値[中間値範囲] 68[61-75]歳 vs. 74[66-81]歳)、男性で高く(70.7% vs. 55.3%)、体格指数が高かった(中央値 34.6kg/m2 [29.8-40.2] vs. 28.7kg/m2 [25.2-33.0] )。

・OSA患者では、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患、心不全などの併存疾患の有病率が高かった。

・OSA患者では抗血栓療法の使用率が高かった。

・調整後、OSAはMACNEと有意に関連していた。

★ハザード比 =1.16[95%CI 1.03-1.31]、P=0.011

—-

・OSAはCHA2DS2-VASc危険因子を超える脳卒中/SEの独立した危険因子でもあった。

HR =1.38[95%CI 1.12~1.70]、P=0.003

—-

しかし、心血管死、心筋梗塞、新発症心不全、または大出血との関連は認められなかった。

結論

心房細動患者において、OSAはMACNE、より具体的には脳卒中/SEの独立した危険因子である。

コメント

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS, OSA)は心血管イベントのリスクを増加させる可能性が報告されています。

今回の研究では、OSASおよび心房細動を併発する患者における心血管および神経学的イベントのリスクの程度について検討しています。

さて、検討結果によれば、心房細動患者でOSASを併発する場合、主要な心血管・神経有害事象のリスク増加が認められました。

また脳卒中と非中枢神経系塞栓症におけるリスク増加が特に大きかったとのこと。

ただし、リスク増加は最大でも1.7倍であり、試験デザインから結果を過大評価している可能性があります。

そして、本試験結果はあくまでも仮説生成であり、OSASを治療してもイベント発生数は低下しない可能性があります。

したがって著者の結論は、ややオーバースペキュレーションであると考えます。

✅まとめ✅ 心房細動および閉塞性睡眠時無呼吸症候群の併発は主要な心血管・神経有害事象リスク、特に脳卒中および非中枢神経系塞栓症リスクを増加させるかもしれない

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