Efficacy and Safety of Eptinezumab in Patients With Chronic Migraine: PROMISE-2
Richard B Lipton et al.
Neurology. 2020 Mar 31;94(13):e1365-e1377. doi: 10.1212/WNL.0000000000009169. Epub 2020 Mar 24.
Clinicaltrialsgov identifier: NCT02974153.
PMID: 32209650
DOI: 10.1212/WNL.0000000000009169
目的
Eptinezumab(エプティネズマブ)の慢性片頭痛(chronic migraine, CM)予防治療における有効性と安全性を評価する。
ヒト化抗カルシトニン遺伝子関連ペプチドモノクローナル抗体エプティネズマブの慢性CM予防治療における有効性と安全性を評価する。
方法
The Prevention of Migraine via Intravenous ALD403 Safety and Efficacy-2 (PROMISE-2) 試験は、第 3 相、多施設、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験だった。
CMを有する成人を対象に、0日目と12週目にエプティネズマブ100mg、300mg、またはプラセボを静脈内投与する群にランダム割り付けした。
主要エンドポイントは、1週目から12週目までの月平均片頭痛日数(mean monthly migraine days, MMD)のベースラインからの変化であった。
結果
・治療を受けた参加者(n=1,072)では、ベースラインの平均MMD数は群間で≈16.1であった。
・エプティネズマブ100mgおよび300mgの投与は、プラセボと比較して、1~12週目のMMDの有意な減少と関連していた。
★MMDの変化
プラセボ:-5.6
エプティネズマブ100mg:-7.7、p<0.0001 vs. プラセボ
エプティネズマブ300mg:-8.2、p<0.0001 vs. プラセボ
—
・治療上の有害事象(TEAE)の報告は、エプティネズマブ100mg群で43.5%、300mg群で52.0%、プラセボ群で46.7%だった。
・鼻咽頭炎は、エプティネズマブ投与群で報告された唯一のTEAEであり、プラセボ群と比較して2%以上の発生率であった。鼻咽頭炎はエプティネズマブ300mg投与群で発生した(エプティネズマブ300mg投与群:9.4%、プラセボ群: 6.0%)。
結論
CM患者において、エプティネズマブ100および300mgは、投与翌日から12週目までMMDを有意に減少させ、忍容性が高く、許容可能な安全性プロファイルを示した。
エビデンスの分類
本試験は、CM患者において、単回のエプティネズマブ投与により12週間のMMDを減少させるというクラスIのエビデンスを提供している。
コメント
2020年5月時点において、海外では慢性偏頭痛に対する生物学的製剤4製品が承認されています。一方、日本国内では、4製品ともに開発中です。
さて、本試験結果により、慢性偏頭痛患者におけるエプティネズマブ100および300mgの静脈内投与は、プラセボと比較して有意にMMDを減少させました。
ただしアウトカムは頭痛日誌であるMMDです。またMMDについては、まだまだ検証が必要であり、MCID(臨床的に重要な最小の差)が報告されていません。
一方で、副次評価項目である6-item Headache Impact Test(HIT-6)については、過去にMCIDが報告されています。ただし、あくまでも仮説生成的な結果であるため、ここでは主要評価項目であるMMDの結果のみを示しました。
今後、日本での臨床試験も報告されると考えられますので、引き続き情報を追っていきます。
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