心不全患者に対するSGLT2阻害剤治療の最適な実施と転帰との関連はどのくらいですか?(米国 人口ベース研究; JAMA Cardiol. 2020)

Association of Optimal Implementation of Sodium-Glucose Cotransporter 2 Inhibitor Therapy With Outcome for Patients With Heart Failure.

Bassi NS et al.

JAMA Cardiol. 2020 May 6. doi: 10.1001/jamacardio.2020.0898. [Epub ahead of print]

PMID: 32374344

PMCID: PMC7203666 [Available on 2021-05-06]

DOI: 10.1001/jamacardio.2020.0898

試験の重要性

ナトリウム-グルコースコトランスポーター2阻害薬(SGLT2-i)治療は、2型糖尿病の状態にかかわらず、ガイドラインに沿った内科的治療を受けた心不全および駆出率低下(HFrEF)患者において、生存期間の延長効果を示した。

これまでのところ、集団レベルでのSGLT2-i療法の最適な実施により得られる可能性のある有益性は定量化されていない。

目的

米国のHFrEF患者にSGLT2-i療法を包括的に実施することで予防または延期された死亡に対する予測利益を定量化すること。

試験デザイン、設定、参加者

2019年9月25日から10月20日に実施されたこの決定分析モデルは、公表された情報源を用いて、SGLT2-i療法の対象となるHFrEF患者の米国における母集団と、明らかな死亡を予防または延期するために治療に必要な数を推定した。

潜在的なベネフィットの範囲を考慮して感度解析を行った。

主要アウトカムおよび測定

全死亡率

結果

・米国のHFrEF患者310万人のうち、2,132,800人(69%)がSGLT2-i治療の候補者であると予測された。

・SGLT2-i療法を最適に実施すれば、経験的に年間34,125人の死亡を防ぐことができると推定された(範囲 21,840~49,140人/年)。

・N末端プロ脳ナトリウム利尿ペプチドレベルおよびその他の試験参加基準に基づいて患者を除外した二次解析では、年間25,594人の死亡を予防するという潜在的な利益が得られた(範囲 16,380~36,855人/年の死亡を予防する)。

結論と関連性

本研究は、米国においてSGLT2-i療法を最適に実施することで、かなりの数の死亡が予防できることを示唆している。

これらのデータは、重要な公衆衛生上の利益を達成し、HFrEFの死亡率負担を軽減するために、現在のエビデンスを適時に実践に移すことを支持するものである。

コメント

米国では2020年5月、ダパグリフロジン(フォシーガ®️)の適応症として心不全(HFrEF)が適応追加で承認されました。今回の研究では、米国の母集団310万人における、SGLT2阻害薬の最適な使用対象について全死亡を減らせるか検討しています。

さて、本試験結果によると、推定で年間34,125人の死亡を防ぐことができるようです。また二次解析では、年間25,594人の死亡を予防できるかもしれないとのことです。

原著は有料であるため、二次解析の基準や患者背景は不明ですが、最低でも母集団の約0.8%の死亡率を低下できるとの推定がなされています。ハードアウトカムにおいて、この数字を多いと捉えるか少ないと捉えるか難しいところ。

✅まとめ✅ SGLT2阻害薬を最適に使用すれば、経験的に年間34,125人(母集団の約1%)の死亡を防ぐことができるかもしれない

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