急性の上部消化管出血における内視鏡検査はいつ実施した方が良いですか?(RCT; NEJM 2020)

Timing of Endoscopy for Acute Upper Gastrointestinal Bleeding

James Y W Lau et al.

N Engl J Med, 382 (14), 1299-1308 2020 Apr 2

PMID: 32242355

DOI: 10.1056/NEJMoa1912484

Funded by the Health and Medical Fund of the Food and Health Bureau, Government of Hong Kong Special Administrative Region

ClinicalTrials.gov number, NCT01675856.

背景

急性上部消化管出血の患者には、消化器内科受診後24時間以内に内視鏡検査を行うことが推奨されている。出血後24時間以内の内視鏡検査の役割は十分に定義されていない。

方法

急性上部消化管出血の兆候があり、Glasgow-Bratchfordスコアが12以上(スコア範囲 0~23、スコアが高いほど出血や死亡リスクが高いことを示す)の患者を対象に、消化器内科受診後6時間以内(緊急内視鏡群)または6~24時間以内(早期内視鏡群)に内視鏡検査を受けるようにランダムに割り付けた。

主要エンドポイントは、ランダム化後30日以内のあらゆる原因による死亡とした。

結果

・合計516人の患者が登録された。30日以内の死亡率は、緊急内視鏡検査群で8.9%(23/258例)、早期内視鏡検査群で6.6%(17/258例)であった。

★差 =2.3%ポイント;95%信頼区間[CI] -2.3~6.9

・30日以内にさらに出血が生じたのは、緊急内視鏡検査群で28例(10.9%)、早期内視鏡検査群で20例(7.8%)であった。

★差 =3.1%ポイント;95%信頼区間[CI] -1.9~8.1

・初回内視鏡検査で出血が認められる活発な潰瘍や血管が見えるほどの潰瘍が認められたのは、緊急内視鏡検査群では消化性潰瘍158例中105例(66.4%)、早期内視鏡検査群では159例中76例(47.8%)であった。

・初回内視鏡検査時に内視鏡的止血処置を行ったのは緊急内視鏡検査群155例(60.1%)、早期内視鏡検査群125例(48.4%)であった。

結論

さらなる出血や死亡リスクが高い急性上部消化管出血患者において、消化器内科受診後6時間以内に実施した内視鏡検査は、受診後6~24時間以内に実施した内視鏡検査に比べ、30日死亡率の低下とは関連していなかった。

コメント

アブストのみ。

急性の上部消化管出血患者における6時間以内の内視鏡検査は、6〜24時間以内の内視鏡検査と比較して30日以内の死亡リスクを減少させなかった。

例数も限られているため、結論は出せませんが、6時間以内の内視鏡検査の方が、再出血等のアウトカムが増加傾向。少なくとも急いで検査する必要はなさそうですね。

✅まとめ✅ 急性の上部消化管出血患者における6時間以内の内視鏡検査は、6〜24時間の内視鏡検査と比較して30日以内の死亡リスクに差は認められなかった

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