Gefapixant in Two Randomised Dose-Escalation Studies in Chronic Cough
Jaclyn A Smith et al.
Eur Respir J. 2020
PMID: 31949115
DOI: 10.1183/13993003.01615-2019
背景及び目的
高用量のGefapixantは、難治性慢性咳嗽に対して有効性が確認されている。今回の研究では、P2X3受容体拮抗薬であるGefapixantの慢性咳嗽治療における有効性と忍容性を用量漸増法を用いて検討する。
材料と方法
2 件のランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー用量漸増試験では、難治性の慢性咳嗽患者を募集した。
患者は、Gefapixant漸増投与(第1試験:50~200mg、第2試験:7.5~50mg)またはプラセボ投与を16日間受け、ウォッシュアウト後にクロスオーバーするように割り付けられた。
主要エンドポイントは、ベースライン時と各用量の投与4日目に24時間歩行型咳嗽モニターを用いて評価した覚醒時咳嗽頻度であった。
患者が報告したアウトカムには、咳重症度ビジュアルアナログスケールと咳重症度日記が含まれた。
結果
・臨床試験では、Gefapixant 30mg以上の投与により、プラセボと比較して咳回数の最大の改善がみられた(p<0.05)。
・報告された咳重症度指標は同量の30mg投与で改善した。
・味覚障害は用量依存性ではなかったが、明らかに150mg以上の用量で障害が最大化した。
結論
P2X3拮抗作用を有するGefapixantは、これまでの研究よりも低用量で鎮咳効果を示し、忍容性も改善された。
より長い期間の研究が必要である。
コメント
慢性咳嗽に対し、臨床的に有効な薬剤はない、という可能性がこれまでに報告されています。新規の薬剤はここ何十年も上市されていないと思います。
さて、本試験結果によると新規機序を有するGefapixant(ゲーファピキサント)が慢性咳嗽に有効かもしれないとのこと。
Dose findingな研究でしょうか。どうやら用量30mg〜150mg未満でリスク・ベネフィットが最大化しそうです。
より大規模かつ長期的な研究が必要であると考えられます。
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