生物学的製剤ナイーブな乾癬性関節炎におけるグセルクマブの効果はどのくらいですか?(DB-RCT; DISCOVER-2; Lancet 2020)

Guselkumab in Biologic-Naive Patients With Active Psoriatic Arthritis (DISCOVER-2): A Double-Blind, Randomised, Placebo-Controlled Phase 3 Trial

Philip J Mease et al.

Lancet. 2020

PMID: 32178766

DOI: 10.1016/S0140-6736(20)30263-4

ClinicalTrials.gov:NCT03158285 (active, not recruiting)

Funding: Janssen Research and Development.

背景

インターロイキン23(IL-23)/ Tヘルパー17細胞経路は乾癬性関節炎の病因に関与している。

IL-23 p19サブユニットに特異的に結合するIL-23阻害剤であるグセルクマブは、第2相試験で乾癬性関節炎を有意かつ安全に改善した。

DISCOVER-2は、乾癬性関節炎の生物学的にナイーブな患者におけるグセルクマブを評価する第3相試験だった。

方法

本第3相二重盲検プラセボ対照試験は、アジア、ヨーロッパ、北米の13か国の118施設で実施された。

標準的な治療法にもかかわらず、活動性乾癬性関節炎(少なくとも5つの腫れた関節、少なくとも5つの柔らかい関節、C反応性タンパク質≥0.6mg / dL)の生物学的ナイーブ患者を登録した。

患者は、4週間毎にグセルクマブ100 mg(皮下注射)にランダムに割り当てられた(1:1:1、コンピューター生成順列ブロック、ベースラインの疾患修飾性抗リウマチ薬の使用とC反応性タンパク質濃度によって層別化)。 試験参加者は、0、4、8週間毎にグセルクマブ100 mgまたはプラセボを投与された。

主要エンドポイントは、割り当てられた治療グループ毎のすべての患者の24週目のリウマチ学会20%改善応答(American College of Rheumatology 20% improvement, ACR20)だった。

安全性は、受けた治療毎にすべての患者で評価された。

調査結果

・2017年7月13日から2018年8月3日までに、1,153人の患者がスクリーニングされ、そのうち741人が4週間毎(n = 246)、8週間毎(n = 248)、またはプラセボ(n = 247)に割り当てられた。

・4週間毎群の患者1人とプラセボ群の1人は治療を開始せず、残りの739人は治療を開始し、そのうちの716人が24週目まで治療を継続した。

・治療により有意かつ著効を示したグセルクマブ群の患者の割合は、4週間毎(156/245例 [64%,95%CI 57-70])および8週間毎(159 /248例 [64%]の 248 [58-70])プラセボ群(246 [27-39]の81 [33%])よりも24週でACR20応答を達成しました。

★プラセボ群に対する割合の差:

4週間毎群では31%[95%CI 22-39]

8週間毎群では31%[23-40]; 両方ともp <0・0001

—-

・24週までは、4週間毎にグセルクマブを投与された8/245人(3%)(3回の重度の感染)、8週間毎にグセルクマブを投与された3/248人(1%)(1回の重度の感染)、及びプラセボ群で7/246人( 3%)(1つの深刻な感染症)で有害事象が認められた。 死亡は発生しなかった。

結果の解釈

サイトカインのp19サブユニットに結合することでIL-23を特異的に阻害するヒトモノクローナル抗体であるグセルクマブは、生物製剤による治療を受けていない活動性乾癬性関節炎の患者において有効であり、許容できる有益なリスクプロファイルを示した。

これらのデータは、乾癬性関節炎を治療するためのIL-23の選択的阻害の使用を支持している。

コメント

乾癬性関節炎患者におけるグセルクマブ(トレムフィア®️)の第3相試験。現在、日本におけるトレムフィア®️の適応症には制限があり、「既存治療で効果不十分な」という一文が付されています。

さて、本試験結果から生物学的製剤の使用経験のない患者で、グセルクマブの使用を推進するかといえば、それは違うと思います。

なぜ既存治療で効果不十分な場合に、トレムフィア®️を使用するのかといえば、単純に既存治療の方がコスパが良いからです。

ここ数年で乾癬治療薬はかなり増えてきましたし、生物学的製剤の適応追加も増えています。診療ガイドラインにおいても、まずは経口治療薬、あるいは生物学的製剤を使用する場合はインフリキシマブを推奨しています。

トレムフィア®️が第一選択薬として使用されるには、既存治療との比較試験、あるいは過去の報告があると思いますので、追試試験を行う必要があると考えられます。

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