人工股関節全置換術および人工膝関節全置換術後の術後VTE予防に対するアスピリンの効果はどのくらいですか?(RCTのSR&MA; JAMA Intern Med. 2020)

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Clinical Effectiveness and Safety of Aspirin for Venous Thromboembolism Prophylaxis After Total Hip and Knee Replacement: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Clinical Trials.

Matharu GS et al.

JAMA Intern Med. 2020 Feb 3.

doi: 10.1001/jamainternmed.2019.6108.

PMID: 32011647

DOI: 10.1001/jamainternmed.2019.6108

試験の重要度

人工股関節全置換術(THR)および人工膝関節全置換術(TKR)を受けている患者は、静脈血栓塞栓症(VTE)の薬物予防を受ける。どの抗凝固剤が好ましいかは不明である。

観察データでは、アスピリンが効果的なVTE予防を提供することを示唆している。

目的

THRおよびTKR後のVTE予防のためのアスピリンの有効性と安全性を評価する。

データソース

MEDLINE、Embase、Web of Science、Cochrane Library、書誌検索を使用して、開始から2019年9月19日まで、言語の制限なしで、ランダム化臨床試験(RCT)の系統的レビューとメタ分析を実施した。

コンピュータベースの検索では、人口に関連するキーワードと各キーワードの組み合わせ(股関節置換、膝関節置換、股関節形成術、膝関節形成術)、薬物介入(アスピリン、ヘパリン、クレキサン、ダビガトラン、リバロキサバン、ワルファリンなど)、およびヒトの転帰(例、静脈血栓塞栓症、深部静脈血栓症、肺塞栓症、出血)を組み合わせた。

研究選択

本研究には、THRおよびTKRを受けている成人における他の抗凝固薬と比較したVTE予防のためのアスピリンの有効性と安全性を評価するRCTが含まれていた。

プラセボ対照群を含むRCTは除外された。検索と研究選択は独立して実行された。

データ抽出と合成

本調査では、PRISMAの推奨事項に従って、コクランコラボレーションのバイアスリスクツールを使用した。データは2人のレビューアによって個別にスクリーニングおよび抽出された。

研究固有の相対リスク(RR)は、変量効果モデルを使用して集計された。エビデンスの質は、推奨の評価、開発、評価(GRADE)アプローチを使用して評価された。

主なアウトカムと測定

主要転帰は術後VTE(無症候性または症候性)だった。

二次転帰は、出血を含む治療に関連する有害事象だった。

結果

・特定された文献437件のうち、RCT13件が含まれていた(参加者6,060人、女性3,466 [57.2%]、平均年齢63.0歳)。

・THRおよびTKR後のVTEのRRは、他の抗凝固薬と比較して、アスピリンで1.12(95%CI、0.78-1.62)だった。

・深部静脈血栓症(DVT、RR=1.04; 95%CI 0.72-1.51)および肺塞栓症(PE、RR=1.01; 95%CI 0.68-1.48)で同等の所見が観察された。

・大出血、創傷血腫、創傷感染などの有害事象リスクは、アスピリンと他の抗凝固薬を投与された患者で統計的に有意な差はなかった。

・THRとTKRを別々に分析した場合、アスピリンと他の抗凝固薬との間でVTE、DVT、およびPEのリスクに統計的に有意な差はなかった。

・アスピリンは、低分子量ヘパリン(RR =0.76、95%CI 0.37-1.56)またはリバロキサバン(RR=1.52、95%CI 0.56-4.12)と統計的に有意な差がないVTEリスクを有していた。

・エビデンスの質は低から高までの範囲だった。

結論と関連性

臨床的有効性と安全性の観点から、アスピリンはTHRおよびTKR後のVTE予防に使用される他の抗凝固薬と統計的に有意な差はなかった。

将来の試験では、代替の抗凝固薬および費用対効果と比較したアスピリンの非劣性分析に焦点を当てるべきである。

コメント

人工股関節全置換術(THR)および人工膝関節全置換術(TKR)後の静脈血栓塞栓症(VTE, venous thromboembolism)に対する予防的アスピリン投与の効果を検証したメタ解析。

効果推定値をみてみると、アスピリンは低用量ヘパリンよりもVTEリスクが低下傾向だが、リバーロキサバン(イグザレルト®️)よりもリスクが増加傾向。一方、深部静脈血栓症(DVT, deep vein thrombosis)および肺塞栓症(PE, pulmonary embolism)リスクは同程度。

著者も述べている通り、血栓塞栓症に伴う予後の経済的評価が重要であると考えられる。薬価ベースでは、抗凝固薬に比べてアスピリンが安価。今後の報告に期待。

✅まとめ✅ 人工股関節全置換術および人工膝関節全置換術後の術後VTE予防にはアスピリンと他の抗凝固薬との間で差がなかった

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