2歳未満の小児てんかん患者におけるトピラマートの有効性と忍容性はどのくらいですか?(単施設 後向き症例集積研究; J Child Neurol. Aug 2005)

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Efficacy and Tolerability of Topiramate in Children Younger Than 2 Years Old

Ignacio Valencia et al.

J Child Neurol. Aug 2005

PMID: 16225812

DOI: 10.1177/08830738050200080601

背景

2 歳未満の小児てんかん患者を対するトピラマートの有効性と忍容性を評価するために、2001 年から 2003 年の間に当院で治療を受けた患者の記録をレトロスペクティブにレビューした。

症例

年齢5~23ヵ月の小児13人(男児5人、女児8人)が同定された。

発作の種類は、部分発作(5人)、全身性強直間代発作(3人)、ミオクロニー発作(1人)、幼児性痙攣(4人)であった。

発作発症時の平均年齢は9.7ヵ月であった。トピラマート治療は平均発症年齢11.4ヵ月(4~23ヵ月)で開始した。

トピラマート治療前の抗てんかん薬の服用回数は0~4回であった。1人の患者はケトジェニックダイエットを行っていた。トピラマートは小児7人に単剤療法として、小児6人に多剤療法として使用された。

平均追跡期間は14ヵ月であった。トピラマートの平均投与量は8.8mg/kg/日(2.5~18mg/kg/日)であった。

★発作軽減の程度は以下の通りであった:

5例(38.5%)で>75%

3例(23%)で50%~75%

5例(38.5%)で0~25%

—-

4例中3例(75%)の乳児痙攣患者では、発作の軽減率は>75%であった。

副作用は 2 例の小児に発生し、傾眠、高熱、食欲不振などがあった。

結論

抗てんかん薬の使用量が限られている2歳未満の小児において、トピラマートは様々なタイプの発作に対して有効で安全な代替治療薬であると考えられている。

コメント

単施設での後向き研究。やや一般化は難しく、著者の表現はオーバースペキュレーションである可能性もあります。

しかし現状、添付文書上は2歳以上で使用できるトピナ®️(トピラマート)の効果を、2歳未満の小児で検証した重要な報告であると考えられます。3歳未満のてんかん患者の研究報告数は、かなり少ないです。

さて、本研究結果によると、てんかんの種類に関わらずトピラマートはてんかん発作に対し有効だったとのこと。どのタイプの発作に対してより有効だったのかは抄録からは不明。

国内のてんかん診療ガイドライン2018において、トピラマートは、小児てんかんに対する治療薬として記載されています。ただし、有効性・安全性は、てんかんの種類にもよりますが、エトスクシミド、オクスカルバマゼピン、カルバマゼピン、バルプロ酸、ラモトリギン、レベチラセタムの方が評価されていると考えられます。

ミオクロニー発作には適用外使用ですが、トピラマートが推奨されています。

ちなみにNICEガイドラインを含む海外の診療ガイドラインでは、日本とは少し異なる推奨のようですね。

✅まとめ✅ 2歳未満のてんかん発作におけるトピラマートの有効性は、てんかんの種類によらず有効かもしれない

✅まとめ✅ トピラマートは単剤、併用療法によらず有効かもしれない

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