Blood Pressure Levels and Risk of Cardiovascular Disease Mortality Among Japanese Men and Women: The Japan Collaborative Cohort Study for Evaluation of Cancer Risk (JACC Study)
Yamagishi K et al.
J Hypertens. Jul 2019
PMID: 30882600
DOI: 10.1097/HJH.0000000000002073
目的
日常環境における血圧(BP)と心血管死亡率との関連を調べ、ベースライン時の降圧薬使用がこの関連を変更するかどうかを調査する。
方法
本研究では、日本で1988-1990年に脳卒中、冠状動脈性心臓病、癌、腎疾患のない40-79歳の男女27,728人のデータを使用した
死亡率調査は2009年まで に完了し、合計449,800人年の追跡調査が行われました。心血管死のハザード比については、入院時にBPカテゴリー別に分析された(欧州ガイドライン2018に基づく)。
結果
・1,477人が心血管疾患(CVD)で死亡した。
・入院時の正常高値血圧に対するCVD多変量ハザード比(95%信頼区間)は、
至適血圧で0.85(0.69-1.04)、
正常値血圧で0.96(0.81-1.15)、
グレード1の高血圧で1.26(1.09-1.46)、
グレード2〜3の高血圧で1.55(1.31-1.84)、だった。
・入院時に降圧薬を服用しなかった人でも、同様の線形関連が認められた。
・高血圧治療を受けている患者では、血圧レベルがU字型にCVD死亡率と関連していることが観察された。
★至適血圧:ハザード比 =2.31(1.25-4.27)
★正常値血圧:HR =1.68(1.05-2.69)
★グレード1の高血圧:HR =1.56(1.10-2.22)
★グレード2〜3:1.63(1.13-2.36)
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・脳卒中および冠動脈性心疾患については、常に統計的に有意ではないが、同様のパターンが観察された。
結論
ベースライン時の血圧カテゴリーは、降圧薬を服用しなかった群と同様に、一般的にCVD死亡率と直線的に正の相関が認められた。
最適かつ正常なBP治療を受けた高血圧患者では、CVDによる死亡リスクは正常BPの患者よりも高いことが観察されており、これらの患者のBPと併存疾患を常に監視することの重要性を示唆している。
コメント
日本の観察研究。入院時の血圧と心血管死亡リスクを検討したところ、未治療の正常高値血圧群では、それ以上の血圧上昇はリスクが高そうなので、やや下げた方が良いかも。一方、既に治療中の患者においては、血圧の下げ過ぎも血圧コントロール不良による上昇も心血管死亡リスク高くなりそうとのこと。
あくまで相関関係ですが、どちらにせよ血圧の下げ過ぎは益が少なそう。過去の報告と矛盾しない。
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