緑茶うがいでインフルエンザ罹患率は下がりますか?(Open-RCT; PLoS One. 2014)

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Effects of Green Tea Gargling on the Prevention of Influenza Infection in High School Students: A Randomized Controlled Study

Randomized Controlled Trial

Kazuki Ide et al.

PLoS One. 2014

PMID: 24836780

PMCID: PMC4023996

DOI: 10.1371/journal.pone.0096373

Trial registration: ClinicalTrials.gov NCT01225770.

背景

緑茶カテキンの抗インフルエンザウイルス活性は実験的研究で実証されているが、臨床的証拠は決定的ではない。

学齢期の子供は、学校での発生の形でインフルエンザの感染と拡散に重要な役割を果たす。

学生のインフルエンザ感染を予防することは、流行と世界流行の頻度を減らすために不可欠である。

感染に対する非医薬品的介入として、うがいはアジア諸国でも一般的に行われているが、まだ広く研究されていない。

方法

2011年12月1日から2012年2月28日までのインフルエンザ流行期の90日間、757人の高校生(15歳から17歳)を対象としたランダム化非盲検2群並行研究が実施された。

試験設定は静岡県にある6つの高校。

緑茶うがい群はボトル群は緑茶で1日3回うがいをし、水うがい群は水道水で同じ方法を実施した。水うがい群では、緑茶でうがいをすることを制限された。

主なアウトカムの尺度は、抗原検出のための免疫クロマトグラフィーアッセイを使用した検査室で確認されたインフルエンザの発生率だった。

結果

・757人の参加者が登録され、747人の参加者が研究を完了した(緑茶うがい群で384人、水うがい群で363人)。

・多変量ロジスティック回帰では、緑茶うがい群(参加者のうち19人; 4.9%)と水うがい群(参加者のうち25人; 6.9%)の間で検査室確認インフルエンザの発生率に有意差は示されなかった。

★調整済みOR =0.69、95%CI 0.37〜 1.28; P = 0.24

・本研究の主な限界は、高校生の遵守率が予想よりも低いことだった。

結論

高校生を対象とした本研究において、1日3回緑茶でうがいを行うことは、インフルエンザ感染予防のために水でうがいを行うことよりも有意に効果的ではなかった。

緑茶うがいの有効性を適切に評価するためには、追加の大規模なランダム化研究が必要である。

コメント

緑茶うがいによるインフルエンザ感染予防の効果は水うがいと変わりなかった。

効果推定値をみるとサンプルサイズが足りないのかな、と思いましたが、きちんと計算されているし例数も足りていた。

The sample size was estimated as 306 for each group at a power level of 0.80 and a 2-sided α level of 0.05. Estimating a 15% drop out rate, we set the total sample size at 720.

ただしアドヒアランスが低かったとのこと。

adherence rate was 73.7% in the green tea group and 67.2% in the water group.

確かにアドヒアランスは低いのですが、それでも水うがいよりはアドヒアランス高いんですよね。

したがって、もしアドヒアランスが両群ともに85%を超えていたとしても、そこまで効果に差はなかったのではないかと考えます。1日3回うがいすることに意義がありそうな気もします。

何も介入しなかった群を加えて検証してみた方が良かったかもしれないですね。

✅まとめ✅ うがいによるインフルエンザ感染予防において緑茶と水で差はなかった

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