PCI後のACS患者においてチカグレロルとクロピドグレルどちらが良さそうですか?(カナダ人口ベース コホート研究; JAMA Intern Med. 2020)

Association of Ticagrelor vs Clopidogrel With Major Adverse Coronary Events in Patients With Acute Coronary Syndrome Undergoing Percutaneous Coronary Intervention

Ricky D Turgeon et al.

JAMA Intern Med. 2020

PMID: 31930361

DOI: 10.1001/jamainternmed.2019.6447

試験の重要性

診療ガイドラインでは現在、チカグレロールが主要かつ有害な冠動脈イベント(MACE)について、クロピドグレルと比較して減少させたが出血と呼吸困難を増加させたランダム化臨床試験データに基づいて、急性冠症候群(ACS)患者にクロピドグレルよりもチカグレロルを推奨している。

目的

経皮的冠動脈インターベンション(PCI)で治療されたACS患者におけるMACEリスクをチカグレロルとクロピドグレルとを比較し、大出血および呼吸困難について、P2Y12阻害薬遵守とMACEの関連を評価する。

試験設計、設定、参加者

2012年4月1日から2016年3月31日までのアルバータ州冠動脈心疾患レジストリのアウトカムアセスメントプロジェクト(the Alberta Provincial Project for Outcome Assessment in Coronary Heart Disease registry)におけるPCI後に生存したACS患者データを使用した人口ベースのコホート研究を実施した。追跡期間は1年。分析は2018年4月に開始した。

曝露

PCI後31日以内のチカグレロルまたはクロピドグレルの外来処方。 アドヒアランスは、80%以上の薬剤補充アドヒアランス値として定義された。

主なアウトカムと測定

主要かつ有害な冠動脈イベントは全死亡、ACSへの入院、予定外の冠動脈血行再建、またはインデックスPCI後365日以内のステント血栓症の複合とした。

副次的アウトカムには、大出血のための入院と呼吸困難のための救急部門の来院が含まれた。

結果

・PCIを受けた11,185人のうち、年齢の中央値(四分位範囲)は61(54-71)歳で、2,760(24.7%)は女性だった。

・チカグレロルの使用者(4,076 人[36.4%])は一般に若く、クロピドグレルの使用者よりも心臓と非心臓の併存疾患が少なかった。

・チカグレロルは、MACEのリスク低下とは関連していなかった。

★調整ハザード比[aHR] =0.97、95%CI 0.85-1.10

・ただし、大出血(aHR =1.51; 95%CI 1.29-1.78)および呼吸困難(aHR =1.98; 95%CI 1.47-2.65)のリスク増加と関連していた。

・合計3,328人のチカグレロル使用者(81.6%)が調査中にコンプライアンス順守されたのに対し、クロピドグレル使用者だは5,256人(73.9%)だった(P <.001;χ2= 86.4)。

・完全コホートでは、アドヒアランスはMACEリスクの低下に関連していた。

★≧80% vs <80%のアドヒアランス aHR =0.79; 95%CI 0.69-0.90

・他の二次的アウトカムの違いは統計的に有意ではなかった。

・感度およびサブグループ分析の結果は、一次分析と一致していた。

結論と関連性

PCIを受けたACS患者を対象とした本集団ベースのコホート研究では、外来患者のチカグレロル使用は、クロピドグレル使用者と比較して、MACEの統計的に有意な減少と関連していなかった。またチカグレロルの使用は出血と呼吸困難に関連していた。

コメント

レジストリーベースのコホート研究。ブリリンタ®️とプラビックス®️を比較すると、MACEに差はなく、呼吸困難による救急外来受診と呼吸困難による臨時受診が増加するとのこと。あくまでも仮説生成的な結果ではあるが、過去の報告と矛盾しない。

ブリリンタ®️の良さが見当たらない。

✅まとめ✅ PCI後のACS患者においてチカグレロルとクロピドグレルを比較するとMACEに差はないが、チカグレロルで大出血と呼吸困難が増加するかもしれない

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