【AMR】骨髄腫新規発症患者における予防的レボフロキサシン投与は有益ですか?(RCT; TEAMM; Lancet Oncol. Dec 2019)

Levofloxacin Prophylaxis in Patients With Newly Diagnosed Myeloma (TEAMM): A Multicentre, Double-Blind, Placebo-Controlled, Randomised, Phase 3 Trial

Mark T Drayson et al.

Lancet Oncol. Dec 2019

PMID: 31668592

PMCID: PMC6891230

DOI: 10.1016/S1470-2045(19)30506-6

Funding: UK National Institute for Health Research.

This study is registered with the ISRCTN registry, number ISRCTN51731976, and the EU Clinical Trials Register, number 2011-000366-35.

背景

骨髄腫は重度の免疫不全と再発性の重篤な感染症を引き起こす。英国では、年間約5,500の骨髄腫の新規症例が診断されており、患者の4分の1が診断後3ヵ月以内に重篤な感染症にかかる。

骨髄腫と新たに診断された患者が感染を予防するために抗生物質の予防から利益を得るかどうかを評価し、新たに骨髄腫と診断された患者における抗生物質耐性生物の運搬と医療関連感染への影響を調査することを目的とした。

方法

英国の病院93施設で新たに骨髄腫と診断された21歳以上の患者を対象とした、前向き多施設二重盲検プラセボ対照無作為化試験(TEAMM)を実施した。

すべての登録患者は、活動性骨髄腫治療を開始してから14日以内だった。コンピューター化された最小化アルゴリズムを使用して、患者(1:1)をレボフロキサシンまたはプラセボにランダム割り当てした。 割り当てはセンターによって層別化され、糸球体濾過率の推定、および自家幹細胞移植を伴う高用量化学療法への移行の意図があった。

すべての研究者、患者、研究室、および試験の調整スタッフは、治療の割り当てにマスクされた。 患者には、レボフロキサシン500 mg(250 mgの錠剤2錠)が12週間1日1回経口、またはプラセボ錠(錠剤2錠、12週間の1日1回経口)が投与され、4週ごとに推定糸球体濾過率に応じて用量が調整された。

フォローアップ訪問は、4週間ごとで16週目まで、および1年に行われた。

主なアウトカムは、最初の熱性エピソードまでの時間、または試験治療の最初の12週間以内にすべての原因による死亡とした。

ランダム化されたすべての患者は、主要エンドポイントの治療意図分析に含まれていた。

調査結果

・2012年8月15日から2016年4月29日までに977人の患者を登録し、レボフロキサシン予防薬(489人)またはプラセボ(488人)をランダムに割り当てた。

・追跡期間の中央値は12ヵ月だった(IQR 8-13)。

・レボフロキサシン群489例では、最初の発熱性エピソードまたは死亡か95件(19%)発生したのに対し、プラセボ群488例では134件(27%)だった。

★ハザード比=0.66、95%CI 0.51-0.86; p =0.0018

・重篤な有害事象が試験治療開始から16週間までに597件報告された(308 件[52%]はレボフロキサシン群、289 件[48%]はプラセボ群)。

・有害事象は、レボフロキサシン群の5つのエピソード(1%)のほとんど可逆性の腱炎を除いて、2群間で類似していた。

解釈

治療における最初の12週間に積極的な骨髄腫治療に予防的レボフロキサシンを追加すると、医療関連感染を増加させることなく、プラセボと比較して発熱症状と死亡が大幅に減少した。 これらの結果は、抗骨髄腫療法を受けている新たに診断された骨髄腫の患者において、予防的レボフロキサシンを使用できることを示唆している。

コメント

アブストのみ。

抄録の方法がしっかりと記載されており、試験デザインが理解しやすく、また内的妥当性の高い試験であると感じました。

昨今、AMR対策が注目されており、将来的な人類の利益を考えれば当然だとも思います。

さて、本試験結果から新規に診断された骨髄腫患者では、治療開始12週間は1日1回クラビット®️を服用した方が良さそう。ただし目の前のすべての患者に当てはまるわけではないと思いますので、患者背景の把握が重要だと思います。

また発熱エピソードは代用のアウトカムであり、ハードアウトカムである死亡との複合であるため結果の解釈に注意が必要。

生存期間はクラビット®️使用により有意に延長していますが、生存利益については差が認められていません。さらに年齢は平均で約67歳とやや高齢。

特殊な疾患であるため結果の解釈が難しいところです。続報に期待。

✅まとめ✅ 新規に診断された骨髄腫患者では12週間レボフロキサシンを服用すると発熱エピソードまたは死亡リスクが低下する

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