筋肉痛におけるロキソニン®テープとロキソニン®錠の効果に差はありますか?(中国の非劣性DB-RCT; Clin Drug Investig. Apr 2019)

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Efficacy and Safety of Loxoprofen Hydrogel Transdermal Patch Versus Loxoprofen Tablet in Chinese Patients With Myalgia: A Double-Blind, Double-Dummy, Parallel-Group, Randomized, Controlled, Non-Inferiority Trial

Dongbao Zhao et al.

Clin Drug Investig. Apr 2019

PMID: 30725315

PMCID: PMC6443607

DOI: 10.1007/s40261-019-00756-x

背景

ロキソプロフェン(LOX)は、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)である。LOXの経口投与は広く処方されているが、変形性関節症の臨床ガイドラインでは一般に、特定の患者に経口NSAIDよりも局所投与を推奨している。しかし、筋肉痛患者におけるロキソプロフェンナトリウム経口(LOX-O)対ロキソプロフェンナトリウムヒドロゲル経皮パッチ(LOX-T)の効果に関する情報は限られている。

目的

本非劣性研究は、筋肉痛の中国人患者におけるLOX-OとLOX-Tの有効性と安全性を比較するために設計された。

方法

本二重盲検、二重ダミー、並行群、ランダム化比較試験では、中国人患者182人を登録し、LOX-TまたはLOX-Oのいずれかの治療に2週間均等にランダム化した。

LOX-T群の患者は、患部に1日1回アクティブLOX-Tを1枚塗布し、食後すぐに1日3回プラセボ錠剤を1錠ずつ服用した。

LOX-O群の患者は1枚のプラセボを1日1回貼付し、アクティブLOX-Oを1日3回、1錠ずつ服用した。

主要エンドポイントは、最終来院時に全体的に50%以上改善した患者の割合だった。

非劣性差のカットオフ値は-10%に設定された。

結果

・完全な分析セットでは、最終有効率の主要エンドポイントは、LOX-Tグループで81.3%(n = 91)、LOX-Oグループで72.2%(n = 88)だった。

・両グループ間の差は9.1%[95%信頼区間(CI)-3.1〜21.3%]で、LOX-TはLOX-Oと比較して非劣性であることが示された。

・いずれのグループでも重篤な有害事象は発生しなかった。

結論

本試験では、中国の筋肉痛患者における有効性と安全性にLOX-Oと比較してLOX-Tの非劣性が示された。 また、コンプライアンスの向上やリスクベネフィット比の低下など、局所LOX-Tの特徴により、臨床現場での使用に適している。

コメント

小規模ではあるが、経口と外用で差は認められなかったとのこと。メソッドをみたところ試験デザインはしっかりしていると考えられます。サンプルサイズの計算でも片側0.025、パワー80%で実施していました。必要例数は80例と各群満たしていた。ちなみに中国の15施設で実施。

ただ試験の評価は薬剤使用2週間目という点が気になりました。ダブルダミーですが、プラセボ対照ではないからです。つまり筋肉痛が自然経過で治った可能性もあるため、薬剤使用後1日目、あるいは3日目があったほうがより良かったのではないか、ということです。あるいは疼痛評価○点未満の達成までの日数とかも評価するとより理解しやすいと感じました。

あとは試験実施が2010年〜2011年という点。単純に他のジャーナルに掲載されなかったからなのか、解析に手間取ったからなのか、他の理由からなのか、個人的には気になるところです。

✅まとめ✅ 筋肉痛に対するロキソプロフェン貼付剤は経口に劣っていなかった

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