Effect of 1-Month Dual Antiplatelet Therapy Followed by Clopidogrel vs 12-Month DualAntiplatelet Therapy on Cardiovascular and Bleeding Events in Patients Receiving PCI: The STOPDAPT-2 Randomized Clinical Trial.
Watanabe H et al.
JAMA. 2019 Jun 25;321(24):2414-2427.
doi: 10.1001/jama.2019.8145.
PMID: 31237644
【試験の重要性】
薬物溶出ステントを用いた経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention, PCI)後の非常に短い必須の二重抗血小板療法(dual antiplatelet therapy, DAPT)は魅力的な選択肢であり得る。
【試験の目的】
心血管イベントと出血イベントの複合エンドポイントについて、標準である12ヶ月のDAPTと比較して1ヶ月のDAPTの非劣性の仮説を検証する。
【試験デザイン、設定、および参加者】
2015年12月から2017年12月までに国内の90ヶ所の病院でPCIを受けた3,045人の患者を対象とした多施設非盲検ランダム化臨床試験。2019年1月に最終1年間の臨床追跡調査が完了した。
【介入】
1ヶ月のDAPTとそれに続くクロピドグレル単独療法(n = 1,523)、または12ヶ月のアスピリンとクロピドグレルの併用(n = 1,522)のいずれかに患者をランダム化した。
【主要評価項目と測定】
主要評価項目は、心血管死、心筋梗塞(Myocardial Infarction, MI)、虚血性または出血性脳卒中、明確なステント血栓症、または12ヶ月後の大出血または軽微な出血の複合であり、相対非劣性マージンは50%でした。
主要な二次心血管エンドポイントは、心血管死、心筋梗塞、虚血性もしくは出血性脳卒中、または明確なステント血栓症の複合であり、主要な二次出血エンドポイントは、大または小出血であった。
【結果】
・ランダムに割り付けられた3,045人のうち、36人が同意を取り下げた。残り3,009のうち、2,974(99%)が治験を完了した。
・DAPT 1ヶ月群では、主要評価項目について非劣性およびDAPT 12ヶ月よりも優れていた。
★DAPT 1ヶ月群:2.36%、DAPT 12ヶ月群:3.70%
★絶対差 = -1.34%, 95%CI – 2.57% 〜 -0.11%]
★ハザード比[HR] =0.64, 95%CI 0.42〜0.98, 非劣性(P <0.001)および優位性(P = 0.04)の基準を満たしていた。
・主要な二次心血管エンドポイントは、1ヶ月DAPT 1ヶ月群で1.96%、DAPT 12ヶ月群で2.51%であった。
★絶対差 = -0.55%, 95%CI -1.62%〜0.52%
★HR =0.79, 95%CI 0.49〜1.29, 非劣性(P =0.005)についての基準を満たすが優越性についての基準は満たさなかった(P =0.34)。
・主要な二次出血の終点は、DAPT 1ヶ月群で0.41%、DAPT 12ヶ月群で1.54%だった。
★絶対差 = -1.13%, 95%CI -1.84%〜 -0.42%
★HR =0.26, 95%CI 0.11〜0.64, 優位性のP =0.004であった。
【結論と関連性】
PCIを受けている患者では、アスピリンとクロピドグレルを併用したDAPTの12ヵ月と比較して、1ヵ月のDAPTとそれに続くクロピドグレル単剤療法は、心血管イベントと出血イベントの複合の発生率が有意に低かった。
これらの知見は、より短い期間のDAPTが利益をもたらす可能性があることを示唆しているが、研究の限界を考えると、他の集団ではさらなる研究が必要である。
【コメント】
アブストのみ。
DAPTの実施期間については、議論の余地があります。いまだに結論は得られていませんが、12ヵ月あるいは24ヵ月の実施が多いように思います。
さて、本試験結果によれば、PCIを受けた患者において、1ヵ月のDAPT+クロピドグレル単独使用は、12ヵ月のDAPT(アスピリン+クロピドグレル)使用と比較して、主要評価項目の発生率は有意に優れていました。ただし、複合アウトカムであることに注意が必要であると考えます。
コメント
[…] PCI後のDAPT継続は1ヶ月と12ヶ月どちらが良さそうですか?(RCT; STOPDAPT-2; JAMA… […]