Uphaus T, et al.
Neurology. 2019.
PMID: 30530796
目的
虚血性脳卒中後の発作性心房細動(paroxysmal atrial fibrillation, pAF)を検出するためには、長期間のモニタリング時間(72時間)が推奨されますが、これはまだ臨床的慣習ではありません。それ故、長期の心電図(Electrocardiogram, ECG)モニタリングを実施した方が良い患者の選定は、資源節約的な方法でpAFの診断収率を高めるかもしれない。
方法
洞リズムを有する患者において長期のホルターECGモニタリング(少なくとも72時間)およびTIAまたは脳卒中後の集中データ評価を行う3つの前向き研究(n =1,556)から個々の患者データを使用した。
Transparent Reporting of a Multivariable Prediction Model for Individual Prognosis or Diagnosis(TRIPOD:個々の予後または診断のための多変量予測モデルの透明な報告)ガイドラインに基づいて、臨床スコアは1つのコホートで開発され、内部的ブートストラップによって検証され、外部の2つの研究で検証された。
結果
72時間のホルターモニタリング中に、1,556人の患者のうち77人(4.9%)にpAFが検出された。年齢および定量的脳卒中イベントを変数としてロジスティック回帰分析を行った。
・NIH Stroke Scale [NIHSS]スコアによる脳卒中重症度
スコア ≤5 [オッズ比 =2.4 vs. TIA; 95%信頼区間 0.8-6.9, p =0.112]
スコア >5 [オッズ比 =7.2 vs. TIA; 95%信頼区間 2.4-21.8, p <0.001]
NIHSSスコアは、ホルターモニタリング72時間以内にpAFの検出を予測するものであったため、最終スコアに含めた(年齢Age: 0.76ポイント/年、脳卒中の感度Stroke Sensitivity NIHSS ≦5 =9ポイント、NIHSS >5 =21ポイント; to Find AF[AS5F])。
予測リスクとしてAS5Fによって定義された高リスク群は、pAF患者の5.2%〜40.8%だった。これは本研究集団内で観察されたAS5F最高ポイントをスクリーンするための必要数であった。
AS5Fを一般化する前に、本研究結果の例数が少なかったことに関しては、再現性が必要である。
結論
AS5Fスコアは、pAFを検出するための虚血性脳卒中後の長期ECGモニタリングについて患者を選択することができる。
証拠の分類
本研究は、AS5FスコアがpAFリスクが高い虚血性脳卒中患者を正確に識別するというクラスIの証拠を提供した。
コメント
アブストのみ。
脳卒中後に発作性心房細動を合併しやすいことが以前に報告された。本研究では、この発作性心房細動の発症リスクのスコアリングを試みた。
結果、年齢およびNIHSSによる層別化により発作性心房細動の発症リスクを予測できるとのこと。
興味深い研究ですが、まず再現性を求められますよね。今後の報告に期待。
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