【メモ】電子カルテデータベース利用時のPERRって何ですか?

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背景

一般人口データベースは観察研究において非常に有用である。しかしランダム化比較試験に比べ、交絡因子の影響を過度に受ける。これは同じ薬剤の効果を検討したランダム化比較試験と前向きコホート研究を対比すると分かりやすい。またコホート研究において、未知の交絡因子を調整することは困難である。 事前イベントレート比(prior event rate ratio:PERR)は、上記の問題を解決するために考案されたアウトカム解析方法である。事前イベントと事後イベント、つまり試験前後のイベント発生を比較し、レート比として算出する。

問題点

前述したようにPERRはレート比である。従って試験期間に大きく影響を受ける。また解析時の重複を避けるために、試験開始時の交絡因子の調整項目は限られる。 また前後比較、正確には前後の差を用いているため、調整項目や介入方法を誤ると従来法よりもバイアスを生じやすくなり “誤用” に繋がる。

メリット

最大のメリットは未知の交絡因子の影響を少なくできる点にある。これにより電子カルテデータベースを利用した際のアウトカム発生は、ランダム化比較試験のそれと近似する場合もあり(もちろん異なる場合もある)、Cox回帰比例ハザード分析よりも根拠の堅牢性が高いと考えられる。

参考文献

 
  1. Tannen RL et al. Use of primary care electronic medical record database in drug efficacy research on cardiovascular outcomes: comparison of database and randomised controlled trial findings. BMJ. 2009 Jan 27;338:b81. doi: 10.1136/bmj.b81. PMID: 19174434
  2. Tannen RL et al. Replicated studies of two randomized trials of angiotensin-converting enzyme inhibitors: further empiric validation of the ‘prior event rate ratio’ to adjust for unmeasured confounding by indication.  2008 Jul;17(7):671-85. doi: 10.1002/pds.1584. PMID: 18327852
  3. Yu M et alPrior event rate ratio adjustment: numerical studies of a statistical method to address unrecognized confounding in observational studies.  2012 May;21 Suppl 2:60-8. doi: 10.1002/pds.3235. PMID: 22552981
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