Association of Cardiovascular Outcomes With Masked Hypertension Defined by Home Blood Pressure Monitoring in a Japanese General Practice Population. Fujiwara T et al. JAMA Cardiol. 2018 May 23. doi: 10.1001/jamacardio.2018.1233. PMID: 29800067
試験の重要性
臨床現場での家庭血圧モニタリング(home blood pressure monitoring: HBPM)によって定義された仮面高血圧症に関連する臨床転帰は依然として不明である。試験の目的
日本人一般集団における仮面高血圧症と心血管疾患イベントとの関連性を評価する デザイン、設定、参加者 日本全国71施設の一般診療科あるいは大学病院で治療された4,261人の外来患者データを使用した(2005年1月1日から2012年12月31日までの間にthe Japan Morning Surge-Home Blood Pressure studyに登録された患者データ)。 心血管疾患リスク因子を有す患者を対象に、2015年3月31日まで追跡調査した。試験参加者は、14日間の朝夕のHBPM測定と同様に、2回の診察血圧(BP)測定を受けた。 尿アルブミン対クレアチニン比(Urine albumin to creatinine ratio: UCR)および循環脳(またはB型)ナトリウム利尿ペプチドレベルを、心血管系末端組織損傷のマーカーとしてベースライン時に定量した。 2017年7月1日から2017年10月31日までのデータを分析した。暴露
試験参加者は、以下の4グループに分類された。 (1)仮面高血圧 家庭血圧BPレベル →収縮期血圧135mmHg以上、拡張期血圧85 mmHg以上 およびクリニックBPレベル →収縮期血圧140 mmHg未満、拡張期血圧90 mmHg未満 (2)白衣高血圧 家庭血圧BPレベル →収縮期血圧135mmHg未満、拡張期血圧85 mmHg未満 およびクリニックBPレベル →収縮期血圧140 mmHg以上、拡張期血圧90 mmHg以上 (3)持続性高血圧 家庭血圧BPレベル →収縮期血圧135mmHg以上、拡張期血圧85 mmHg以上 およびクリニックBPレベル →収縮期血圧140 mmHg以上、拡張期血圧90 mmHg以上 (4)正常血圧 家庭血圧BPレベル →収縮期血圧135mmHg未満、拡張期血圧85 mmHg未満 およびクリニックBPレベル →収縮期血圧140 mmHg未満、拡張期血圧90 mmHg未満主要アウトカムおよび主要評価
(突発的、予測できない)脳卒中および冠動脈疾患結果
4,261人のうち2,266人(53.2%)が女性で、3,374人(79.2%)が抗高血圧薬を服用、平均年齢は64.9歳(SD10.9歳)だった。 中央値3.9年(四分位範囲2.4〜4.6)追跡期間中、脳卒中が74イベント(4.4 /1,000 person-years)および冠動脈疾患が77イベント(4.6 /1,000 person-years)が発生した。 仮面高血圧群は、正常血圧群に比べ、脳卒中リスクが高かった。 ハザード比hazard ratio =2.77(95%CI 1.20〜6.37) 本リスク増加は、伝統的な心血管リスク因子、ACR、および循環B型ナトリウム利尿蛋白レベルとは独立していた。ハザード比2.77; 95%CI 1.20-6.37)ペプチドレベル。 脳卒中リスクとは対照的に、仮面高血圧群は、冠動脈臓病リスク増加とは相関していなかった。結論と関係
日本の一般診療集団では、HBPMによって定義される仮面高血圧症は、脳卒中イベントのリスク増加と関連している可能性がある。 HBPMの使用は、血圧関連リスクの評価を改善し、心血管イベントを予防するための新しい治療的介入を同定する可能性がある。コメント
仮面高血圧を呈す患者集団においては、正常血圧群と比べ、脳卒中リスクが高かった。本研究は日本人一般集団を対象としており、結果の外的妥当性が高そうである。白衣性高血圧や随時高血圧を示す患者よりも脳卒中リスクが高いことから、仮面高血圧患者を捉えるために家庭血圧を聴取する意義は大きいと考えられる。 しかし本研究は観察研究であるため、因果関係ではなく、あくまで相関関係である。-Evidence never tells you what to do-
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