2025-07

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08_炎症・免疫・アレルギー系

薬剤の使用と顕微鏡的大腸炎(Microscopic Colitis)との因果関係は本当にあるのか?(標的試験模倣研究; Ann Intern Med. 2025)

顕微鏡的大腸炎(microscopic colitis:MC)は、水様性下痢を主症状とする炎症性腸疾患で、高齢者に多くみられるにもかかわらず、内視鏡での異常は乏しく、病理検査での診断が必要です。一部の薬剤、特にPPI(プロトンポンプ阻害薬…
04_消化器系

ピロリ菌除菌後でも胃がんリスクは違う?(日本の後向きコホート研究; BMC Gastroenterol.2025)

ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)感染は胃がんの主要な原因であり、日本では2013年から除菌治療が保険適用され、広く実施されるようになりました。しかし、除菌後でもすべての患者の胃がんリスクが同じわけではない可能性があります。今回…
05_内分泌代謝系

GLP-1受容体作動薬は逆流性食道炎のリスクを上げる?SGLT2阻害薬との比較検討(標的試験模倣研究; Ann Intern Med. 2025)

近年、2型糖尿病および肥満治療の第一選択薬として注目されているGLP-1受容体作動薬(GLP-1 RAs)。一方で、これらの薬剤には胃排出遅延作用があり、逆流性食道炎(GERD)のリスクとの関連が懸念されています。今回紹介するのは、GLP…
02_循環器系

降圧薬は朝か夜か?就寝前内服による夜間血圧コントロールの効果を検証したRCT(Open-RCT; OMAN試験; JAMA Netw Open. 2025)

はじめに:この論文でわかること高血圧の管理において、夜間の血圧コントロールは心血管イベント予防の鍵とされています。しかし、降圧薬をいつ内服するのが効果的なのか(chronotherapy)は、いまだ議論のあるテーマです。今回ご紹介するのは、...
10_眼関連疾患

ドライアイに対してジクアホソルはヒアルロン酸より効果的?(RCTのメタ解析; Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2023)

ドライアイ(Dry Eye Disease: DED)は日常的に遭遇する目の不調の一つで、薬剤師や医療従事者が関わる機会も多い疾患です。いくつかの点眼薬が販売されていますが、その有効性や安全性の比較データは限られています。そこで今回ご紹介…
04_消化器系

酸化マグネシウム(MgO)の1日投与回数を減らしても便通に影響はない?(後ろ向きコホート研究; J Rural Med. 2024)

便秘治療薬として長年使用されている酸化マグネシウム(MgO)は、安全性が高く、高齢者にも広く使われています。しかし、1日3回などの分割投与が一般的であり、服薬回数の多さは服薬アドヒアランスの低下や、介護現場での投薬負担の増加を引き起こす可…
07_腎・泌尿器系

1日どのくらい歩くと腰痛予防になる?(前向きコホート研究; JAMA Netw Open. 2025)

慢性腰痛は、世界中で非常に多くの人が悩む健康問題であり、医療費や労働損失の原因にもなっています。定期的な身体活動が慢性腰痛のリスクを減らす可能性が示唆されている中、「歩く」という最も手軽な運動が、どれほどの予防効果を持つのかは明確にされて…
04_消化器系

オピオイドを開始する”がん性疼痛患者”に対するナルデメジンの便秘予防効果はどのくらい?(DB-RCT; J Clin Oncol. 2024)

がん性疼痛に対する強オピオイドの使用は、痛みの緩和に必須ですが、その副作用として最も頻度が高く、自然には改善しにくいものの1つが「オピオイド誘発性便秘(OIC)」です。OICはアドヒアランスの低下や疼痛管理の障害につながるため、初回投与時…
未分類

心房細動アブレーションは「脳卒中・死亡・心不全再入院」リスクを下げるのか?(SR&MA; Ann Intern Med. 2025)

心房細動(AF)は、脳梗塞や心不全の発症リスクを高める不整脈の一つです。薬物療法が基本ですが、根治的な治療としてカテーテルアブレーション(CA)も選択されるようになっています。これまでアブレーションは心電図上の洞調律回復という電気的アウト…
02_循環器系

脳出血における血圧管理は早期開始がカギ?(メタ解析; INTERACT試験群の統合解析; Lancet Neurol. 2025)

脳出血(ICH:intracerebral hemorrhage)は、急性期における迅速な治療介入が予後を左右します。特に血圧管理は重要ですが、「どの程度早く」、「どの程度下げるべきか」については議論が続いていました。今回ご紹介するのは、…
09_感染症

溶連菌咽頭炎の抗菌薬は短期投与でもOK?―現実世界データからみた治療期間と転帰(コホート研究; Open Forum Infect Dis. 2025)

A群β溶血性連鎖球菌(Group A Streptococcus, GAS)による咽頭炎では、従来10日間の抗菌薬治療が標準とされてきました。しかし、抗菌薬の過剰使用を防ぐ「抗菌薬適正使用(Antimicrobial Stewardshi…
13_悪性腫瘍

乳がん化学療法後の吐き気対策に「5mgオランザピン」が有効?(DB-RCT; Lancet Oncol. 2025)

化学療法誘発性悪心・嘔吐(CINV)は、多くのがん患者が経験するつらい副作用の一つです。とくに、アントラサイクリン+シクロホスファミド(AC療法)のような高催吐性化学療法では、その管理が難しいことも少なくありません。今回ご紹介するのは、抗…
05_内分泌代謝系

CagriSema併用療法が肥満治療の新たな選択肢に|セマグルチド+カグリリンタイドの効果とは?(DB-RCT; REDEFINE 1試験; N Engl J Med. 2025)

GLP-1受容体作動薬「セマグルチド」はすでに肥満や心血管疾患リスク低減で高い評価を得ています。一方、アミリン類似体「cagrilintide(カグリリンタイド, カグリリンチド)」も初期段階で有望な体重減少効果を示しています。今回のRE…
00_その他

日本のプライマリ・ケアにおける“低付加価値医療”の提供実態(日本の横断研究; JAMA Health Forum. 2025)

患者に明確な利益をもたらさない「低付加価値医療(low-value care)」は、医療資源の浪費や不必要な副作用リスクの原因として、国際的に注目されています。これまでの研究は主に米国を対象としており、日本における医師の特性と低付加価値医…
食事

納豆をよく食べる高齢男性は長生き?|発酵大豆食品と死亡リスクの関連(日本の前向きコホート研究; Clin Nutr ESPEN. 2025)

発酵大豆食品として日本で親しまれている納豆。健康食品としてのイメージも強く、骨粗鬆症予防や動脈硬化の改善など、多くの効果が語られてきました。しかし、実際に「納豆を食べる人は長生きするのか?」という点を、長期間にわたって科学的に検証した研究…
01_中枢神経系

週末の「寝だめ」が心臓や代謝の病気を防ぐ?|睡眠不足と多疾患リスクとの関係に注目

◆ はじめに:「寝不足は万病のもと」って本当?現代人の多くが抱える「平日の睡眠不足」。その影響を和らげるため、週末にまとめて眠る「週末の寝だめ(Weekend Catch-Up Sleep: WCS)」をしている方も多いのではないでしょうか...
02_循環器系

心筋梗塞後の便秘が心不全による再入院リスクを高める?(後ろ向きコホート研究; BMC Cardiovasc Disord. 2025)

心筋梗塞(MI)後の患者ケアでは、心機能や再梗塞予防に注目が集まりますが、「便秘」の存在が予後に影響する可能性があることをご存知でしょうか?今回ご紹介するのは、心筋梗塞後の患者における便秘と心不全による再入院の関連性を後ろ向きに検討し、退…
02_循環器系

LDLコレステロールを効果的に下げる新選択肢?(DB-RCT; VICTORION-Mono試験; J Am Coll Cardiol. 2025)

これまで高コレステロール血症の治療といえば「スタチン」が中心でした。しかし、近年注目されているのが、Proprotein Convertase Subtilisin/Kexin type 9(PCSK9)を標的としたRNA干渉療法「インク…
01_中枢神経系

ベンゾジアゼピンの減薬はどのように進めるべきか?(SR&MA; BMJ. 2025)

ベンゾジアゼピン系薬(BZ系)や類似の睡眠薬(Z薬など)は、不眠症の治療薬として長年使用されてきました。しかし、依存や転倒リスク、認知機能低下といった副作用から、長期使用のリスクが懸念されています。そこで今回は、BZ系・関連睡眠薬(BSH…
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