成人骨粗鬆症患者の2型糖尿病発症リスクは骨粗鬆症治療薬で異なる?(RCT模倣研究; BMJ. 2023)

candies used in diabetes awareness campaign 06_骨代謝系
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根拠となった試験の抄録

目的:骨粗鬆症の成人患者における2型糖尿病のリスク低減に対する、ビスホスホネート経口剤と比較したデノスマブの効果を推定する。

試験デザイン:電子カルテを用いたランダム化比較試験のターゲットエミュレーション(emulation of a randomized target trial)を含む集団ベースの研究

試験設定:IQVIA Medical Research Dataの英国におけるプライマリケアデータベース(1995-2021年)。

参加者:骨粗鬆症でデノスマブまたはビスホスホネート経口薬を使用した45歳以上の成人。

主要アウトカム評価項目:主要アウトカムは、診断コードで定義される2型糖尿病の発症であった。Cox比例ハザードモデルを用いて、デノスマブと経口ビスホスホネートをas treatedアプローチ(per protocolアプローチ)で比較し、調整ハザード比と95%信頼区間を算出した。

結果:デノスマブの新規使用者4,301例を経口ビスホスホネートの使用者21,038例と傾向スコアでマッチさせ、平均2.2年間追跡調査した。デノスマブ使用者の2型糖尿病発症率は1,000人・年あたり5.7(95%信頼区間 4.3~7.3)、経口ビスホスホネート使用者は1,000人・年あたり8.3(7.4~9.2)であった。デノスマブの投与開始は、2型糖尿病のリスク低減と関連していた(ハザード比 0.68、95%信頼区間 0.52~0.89)。糖尿病予備軍の参加者は、経口ビスホスホネートと比較してデノスマブの恩恵をより多く受けているようであった(ハザード比 0.54、0.35~0.82)。一方、BMI 30以上の参加者では認められなかった(0.65、0.40~1.06)。

結論:この集団ベースの研究では、骨粗鬆症の成人において、デノスマブの使用は、経口ビスホスホネートの使用と比較して、2型糖尿病の発症リスクの低さと関連していた。本研究は、デノスマブが経口ビスホスホネートと比較して糖代謝に付加的な利益をもたらす可能性があるという集団レベルでのエビデンスを提供するものである。

引用文献

Denosumab and incidence of type 2 diabetes among adults with osteoporosis: population based cohort study
Houchen Lyu et al. PMID: 37072150 PMCID: PMC10111187 DOI: 10.1136/bmj-2022-073435
BMJ. 2023 Apr 18;381:e073435. doi: 10.1136/bmj-2022-073435.
ー 続きを読む https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37072150/

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