CKD患者に対する球形吸着炭の効果はどのくらいですか?(RCT; EPPIC trial; J Am Soc Nephrol. 2015)

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Randomized Placebo-Controlled EPPIC Trials of AST-120 in CKD

Gerald Schulman et al.

J Am Soc Nephrol. 2015 Jul;26(7):1732-46.

doi: 10.1681/ASN.2014010042.Epub 2014 Oct 27.

PMID: 25349205

PMCID: PMC4483576

DOI: 10.1681/ASN.2014010042

Keywords: CKD; GFR; creatinine; randomized controlled trials.

背景

CKD患者のGFR低下は尿毒症毒素の全身蓄積を引き起こし、これは病態の進行や罹患率の増加と相関している。

経口投与された球状炭素吸着剤AST-120は、消化管内に吸収された毒素の全身吸収を減少させ、これらの患者では病気の進行を遅らせる可能性がある。

多国籍、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照の Evaluating Prevention of Progression in CKD (EPPIC)-1試験およびEPPIC-2試験では、標準治療にAST-120を追加した場合のCKDの進行に対する効果が評価された。

方法

中等症から重症の成人2,035例(スクリーニング時の血清クレアチニン値、男性2.0~5.0mg/dL、女性1.5~5.0mg/dL)をプラセボまたはAST-120(9g/d)投与群にランダム割り付けした。

主要エンドポイントは、透析開始、腎移植、血清クレアチニン2倍の複合だった。

各試験は、291の一次エンドポイントが発生するまで継続した。

結果

・一次エンドポイントまでの期間は、両試験ともAST-120群とプラセボ群で差はなかった

★EPPIC-1:ハザード比 1.03、95%信頼区間 0.84~1.27、P=0.78

★EPPIC-2:ハザード比 0.91、95%信頼区間 0.74~1.12、P=0.37

・両試験のプール解析でも同様の結果が得られた。

・プラセボ群の推定主要エンドポイントまでの期間中央値は、パワー計算上は124週であったが、実際の期間はEPPIC-1群で189.0週、EPPIC-2群で170.3週であった。このように、試験集団では予想されていたよりも疾患の進行が緩やかであった。

結論

中等度から重度のCKD患者における標準治療にAST-120を追加することの有益性は、これらのデータでは裏付けられていない。

コメント

クレアチニンクリアランスあるいはGFRの低下により、体内の老廃物質、毒素が蓄積しやすくなり、CKDが進行し、尿毒症などを合併します。

これを防ぐために、毒素を吸着し糞中排泄を促す球形吸着炭(クレメジン®️)が一般的に投与されています。球形吸着炭により、CKDの進行抑制を期待し、2つのEPPIC試験が行われました。

CKD患者に対する標準治療への球形吸着炭追加は、プラセボの追加と比較して、主要評価項目(透析開始、腎移植、血清クレアチニン2倍)発生までの時間に差は認められませんでした。

試験の限界としては、予測よりもCKD進行が緩やかであった点が考えられます。したがって、CKD進行が早い患者集団における吸着吸着炭の効果は不明です。

どのような患者集団で利益が最大化するか検討する必要があると考えます。

✅まとめ✅ CKD進行速度が緩やかな患者集団において、標準治療への球形吸着炭の追加は、プラセボの追加と比較して、主要評価項目(透析開始、腎移植、血清クレアチニン2倍の複合)発生までの時間に差は認められなかった

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