Incidence of oral anticoagulant interruption among stroke patients with atrial fibrillation and subsequent stroke.
Kim JM et al.
Eur J Neurol. 2020 Feb 16.
doi: 10.1111/ene.14175. [Epub ahead of print]
PMID: 32064742
DOI: 10.1111/ene.14175
KEYWORDS: atrial fibrillation; ischaemic stroke; oral anticoagulant
背景と目的
心房細動を有する韓国の脳卒中患者のコホートで、経口抗凝固薬(OAC)中止およびOAC中止後の脳卒中の発生率と原因を分析した。
方法
虚血性脳卒中患者の韓国の心房細動評価レジストリ(K-ATTENTION)は、韓国の三次医療センター11施設の脳卒中登録を統合した多施設コホート研究である。OAC中断エピソード数と理由は、病院の記録からレビューされた。
OAC離脱後の脳卒中は、OAC離脱後31日以内に患者が虚血性脳卒中を経験したときに定義された。 OAC中断中に脳卒中再発を経験した患者と再発を経験しなかった患者との間で臨床変数を比較した。
結果
・心房細動の脳卒中患者3,213人のうち、インデックス脳卒中後229人の患者で合計329回のOAC中断エピソードが検出された(平均年齢72.9±8.3歳、女性患者113人)。
・OAC離脱の最も頻繁な理由は、コンプライアンス不良[103エピソード(31.3%)]に続いて頭蓋外出血[96エピソード(29.2%)]だった。
・OAC中止後の脳卒中は13人(0.4%)の患者で認められた。平均年齢、血管リスク因子プロファイル、および平均CHA2DS2 -VAScスコアは、再発性脳卒中患者と再発脳卒中患者の間で有意差はなかった。
結論
心房細動を有するかなりの脳卒中患者が、発作性脳卒中後のOACの一時的な中断を経験した。
コメント
OAC中断による脳卒中リスクについて、CHA2DS2 -VAScスコアで検出できない点が新しいと感じました。
さて、OAC中止の理由は約3割がコンプライアンス不良、頭蓋外出血は約29%だった。
レジストリ研究の中では、対象患者が3,000人程度とやや少ないように思われる。またOAC中断は約3割だが、脳卒中の再発は全体の0.4%。個人的にはそこまで大きい値ではないと考えている。ただ本研究からだけでは、ノンコンプライアンス是正による脳卒中再発リスク減少の程度は不明。今後の研究に期待。
コメント
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