Safety and Efficacy of Dual Antiplatelet Pretreatment in Ischemic Stroke Patients Treated With IV Thrombolysis: A Systematic Review and Meta-Analysis
Konark Malhotra et al.
Neurology. 2020
PMID: 31959709
DOI: 10.1212/WNL.0000000000008961
目的
二重抗血小板前処置(Dual AntiPlatelet Pretreatment, DAPP)を受けている急性虚血性脳卒中(AIS)患者におけるIV血栓溶解(IVT)の安全性と有効性に関する矛盾するデータが存在する。
今回の系統的レビューとメタ分析の目的は、IVTで治療されたAIS患者のDAPP履歴の安全性とアウトカムを評価することだった。
方法
包括的な文献レビューを実施し、IVTで治療されたAIS患者のDAPPの安全性と有効性を調査した研究を特定した。
結果
・患者66,675人を含む研究9件を特定した。
・未調整の分析において、DAPPはプールされた症候性頭蓋内出血(sICH; オッズ比[OR] =2.26; 95%信頼区間[CI] 1.39-3.67)および3ヵ月死亡率(OR =1.47; 95%CI 1.25 -1.73)と関連していた。
・DAPPは、Safe Implementation of Treatments in Stroke Monitoring Study(OR =2.71; 95%CI 2.05-3.59)、European Cooperative Acute Stroke Study II (OR =2.23; 95%CI 1.46-3.40)、National Institute of Neurological Disorders and Stroke(OR =1.59、95%CI 1.38-1.83)によるsICHオッズとも関連していた。
・ DAPPと3ヵ月の良好な機能的アウトカム(favorable functional outcome, FFO; 修正ランキンスケール[mRS]スコア0-1)および3ヵ月の機能的自立(functional independence, FI, 機能的自立度評価法とも。ADL(日常生活動作)を評価するツール。食事、排泄、移動などの運動項目(13項目)及びコミュニケーションなどの認知項目(5項目)から構成され1~7点で採点し合計する; mRSスコア0-2)との間に関連は認められなかった。
・調整後の分析では、DAPPによる治療歴はプールされたsICH(OR =2.03; 95%CI 0.75-5.52)、3ヵ月死亡率(OR =1.11; 95%CI 0.87-1.40)、3ヵ月FFO(OR =0.92; 95 %CI 0.77-1.09)、および3ヵ月FI(OR 1.01; 95%CI 0.89-1.15)と関連していなかった。
結論
潜在的交絡因子の調整後、IVTで治療されたAIS患者におけるDAPP治療歴は、有害アウトカムのリスク増加と関連していないようであった。
コメント
アブストのみ。
やや恣意的な著者の結論が気になります(spin, 粉飾)。有害アウトカムのリスクとは関連していなくとも、交絡因子調整後の症候性頭蓋内出血及び3ヵ月死亡率のリスク増加は、有意ではないもののリスク増加傾向。今後の研究結果にもよりますが、今のところDAPPを実施する意義はなさそう。
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