Epidemiology of lactic acidosis in type 2 diabetes patients with metformin in Japan.
Chang CH, et al.
Pharmacoepidemiol Drug Saf. 2016.
【目的】
抗糖尿病薬で治療された日本人2型糖尿病(T2DM)患者における乳酸アシドーシス(Lactic acidosis, LA)の発生率とメトホルミンの役割を推定する。【方法】
本後向き傾向スコアマッチコホート研究は、日本のMedical Data Visionクレームデータベースを使用して実施された。 2010年1月から2014年8月に糖尿病薬を服用した18歳以上のT2DM患者が特定された。 LAの症例は、償還コードに基づいて特定され、乳酸検査およびその後の血液透析または静脈内重炭酸ナトリウムによる治療によって確認された。 ポアソン回帰およびコックス比例ハザードモデルを使用して、発生率を推定し、メトホルミン使用がLAのリスク増加と関連しているかどうかを評価した。【結果】
・504,169患者年の追跡調査により、治療されたT2DM患者283,491例のうちLA30症例が特定された。 ・LA粗発生率は、患者数100,000年あたり5.95でした。 ・慢性腎疾患(Chronic Kidney Disease, CKD)併発のT2DM患者では、CKDのない患者よりもLAを発症する可能性が7倍高かった。 ★調整ハザード比(aHR) =7.33, 95%CI 3.17〜16.96 ・メトホルミンの使用は、研究集団のLA発生リスクと関連せず(aHR =0.92, 95%CI、0.33〜2.55)、傾向スコアはコホートの結果と一致した(aHR =0.90, 95%CI 0.26〜3.11)。 ・慢性肝疾患(Chronic Liver Disease, CLD)とCKD併発の糖尿病患者との間でも同様の所見が観察された。 ・メトホルミンの使用者と非使用者において、年齢と性別で調整された発生率は、それぞれ100,000人年あたり5.80と5.78でした(発生率比 =1.00, p = 0.99)。【結論】
本研究は、メトホルミン使用がCKDまたはCLD患者を含む糖尿病患者において、LAリスク増加と関連していないことを発見した。
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