Kojima S et al.
Eur Heart Jour. 2019.
【目的】
フェブキソスタット治療を受けた高尿酸血症患者と、生活習慣を改善した従来の治療法を受けた患者における、脳、心血管、および腎臓のイベント発生を比較すること。
【方法】
本多施設共同前向きランダム化非盲検エンドポイント試験は、日本の141の病院で行われた。
合計1,070人が治療意図集団(Intention-To-Treat, ITT)に含まれた。
高血圧症、2型糖尿病、腎疾患、または脳もしくは心血管疾患の既往歴によって定義される、脳、心血管、または腎疾患リスクがある高尿酸血症(血清尿酸> 7.0から≦9.0 mg / dL)の高齢患者、フェブキソスタット群と非フェブキソスタット群に無作為に割り付けられ、36ヶ月間観察された。
脳、心血管、および腎臓のイベントならびに総死亡が主要な複合イベントとして定義された。
【結果】
・フェブキソスタット群(n = 537)と非フェブキソスタット群(n = 533)のエンドポイント(試験中止または試験終了)での血清尿酸値は、それぞれ4.50±1.52および6.76±1.45 mg / dLだった(P <0.001)。
・一次複合イベント発生率は、非フェブキソスタット群よりもフェブキソスタット群の方が有意に低かった。
ハザード比(HR)=0.750, 95%信頼区間(CI)0.592〜0.950; P =0.017
・最も頻度の高いイベントは腎機能障害であった。
フェブキソスタット群:16.2%
非フェブキソスタット群:20.5%
HR 0.745, 95%CI 0.562〜0.987; P =0.041
【結論】
フェブキソスタットは、尿酸を低下させ、腎機能障害の進行を遅らせる。
【コメント】
アブストのみ。
複合アウトカムの中で、唯一、差が認められたのは腎障害のみ。つまりフェブリク®️による心血管イベントの抑制作用は今のところない。また心血管イベントの増加作用も認められなかった。この点は有益な結果であると考えられるが、如何せんPROBE法とアウトカムの組み合わせに問題があると考えられる。
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