Modi ZJ et al.
JAMA Cardiol. 2019 Mar 20. doi: 10.1001/jamacardio.2019.0375. [Epub ahead of print]
PMID: 30892557
【試験の重要性】
心血管疾患(CVD)は、末期腎疾患(ESRD)患者において主要な死因である。若年成人(22〜29歳)では、ESRD関連のCVDリスクが他の年齢とは異なる可能性がある。
【試験の目的】
若い成人におけるESRD発症は、より高い心血管(CV)入院および死亡率に関連しているとする仮説を検証すること。また小児期発症型のESRDとは異なる特徴を有している可能性があるため、合わせて検証した。
【試験デザイン、設定および参加者】
本集団ベースのコホート研究では、米国腎臓データシステムを使用して、2003年から2013年の間にESRD治療を開始した患者をESRD発症時の年齢(1〜11、12〜21、および22〜29歳)で分類した。心血管系入院は、国際疾病分類、第9改訂退院コード、およびメディケアセンターおよびメディケイドESRD死亡届出書からのCV死亡率によって確認された。患者は、非CVD事象による死亡、追跡調査の喪失、回復、または2014年12月31日までの生存率で検閲された。調整比例ハザードモデル(95%CI)は、CV入院のリスクおよび年齢別死亡率を決定するために適合した。データ分析は2016年5月と2017年12月から行われました
【暴露】
ESRDの発症
【主要アウトカムと測定】
心血管死亡と入院
【結果】
1〜29歳の患者33,156人が研究集団に含まれた。
若年成人(22〜29歳)では、1,000患者・年ごとに1年間のCV入院率が138(95%CI 121〜159)であった。若年成人は、小児(1〜11歳;ハザード比[HR] =0.41 [95%CI 0.26〜0.64])および青年(12〜21歳;HR =0.86 [95%] 0.77〜0.97)よりもCV入院のリスクが高かった。
若年成人における4,038人の死亡のうち、1,577人(39.1%)がCVDによるものであった。この群の5年間の累積死亡率(7.3%)は、若い患者よりも高かった(青年期 4.0%;小児 1.7%)。
CV死亡率の調整後HRは、小児よりも全ESRDを有する若年成人の方が高かった(嚢胞性、遺伝性、先天性の状態:HR =0.22 [95%CI 0.11〜0.46]; P <0.001、糸球体腎炎:HR =0.21 [95%CI 0.10〜0.44] P <0.001、その他:HR =0.33 [95%CI 0.23〜0.49]P <0.001)。
青年期では、糸球体腎炎を除いた全死亡に関して若年成人よりCV死亡率のリスクが低かった(嚢胞性、遺伝性、および先天性の状態:HR =0.45 [95%CI 0.27〜0.74]、糸球体腎炎:HR =0.99 [95%CI 0.76〜1.11]、その他:HR =0.47 [95%CI 0.40〜0.57])。
CV入院および死亡のリスクが高いことは、血液透析と比較して先制移植の欠如(入院:HR =14.24 [95%CI 5.92〜34.28]、死亡率:HR =13.64 [95%CI 8.79〜21.14])および腹膜透析[入院:HR =8.47 [95%CI 3.50〜20.53]、死亡:HR =7.86 [95%CI 4.96〜12.45])と関連していた。
ESRD前の腎臓治療は、CV死亡リスクの低下と関連していた(HR =0.77 [95%CI 0.70〜0.85])。
【結論と関連性】
本コホートでESRDを発生した若年成人では、心血管疾患が死亡の約40%を占めていた。同定された危険因子は、本集団のCV健康状態を改善するための年齢に適したESRD戦略の開発に役立つかもしれない。
【コメント】
アブストのみ。
22〜29歳の若年成人においては、腎機能が低下し血液透析に移行する前に治療を開始することで、心血管疾患による死亡を先延ばしにできるかもしれない。
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