閉経後骨粗鬆症患者における非椎体・椎体骨折に対するアバロパラチドの効果はどのくらいですか?(RCTのAR&MA; Osteoporos Int. 2019)

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閉経後骨粗鬆症患者における治療薬はどれが良いのか?

骨粗鬆症は、人口の高齢化が進む先進国において、最も深刻な健康危機の一つです。2000年には、全世界で骨粗鬆症を原因とする890万件以上の骨折が発生しており、そのうち160万件が股関節、170万件が前腕、140万件が脊椎に起因する脆弱性骨折だったことが報告されています(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16983459/)。

米国では、男女の骨粗鬆症による骨折の直接費用は、2025年までに250億ドルを超え、2016年から2025年までの10年間の累積費用は2,280億ドルに達すると予測されています。また、2010年には、EUの5大国(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国)における骨粗鬆症骨折の推定直接費用は290億ユーロ、EU27カ国では387億ユーロに達しています。

確立された治療法としては、抗骨吸収性薬剤、同化性薬剤、同化性と抗骨吸収性を併せ持つ薬剤があります。アバロパラチドは、副甲状腺ホルモン1(PTH1)-受容体のシグナル伝達経路を選択的に活性化し、骨形成を促進する同化作用を有する薬剤であり、日本では、帝人ファーマが5月27日に製造販売承認の申請を行っています。

今回は、閉経後骨粗鬆症患者におけるアバロパラチドを含めた治療薬及びプラセボとの有効性比較を行ったネットワークメタ解析の結果をご紹介します。

試験結果から明らかになったことは?

合計4,978件の論文がスクリーニングされ、そのうち22件が解析に含まれました。

アバロパラチドは、プラセボだけでなく、他の治療薬と比較して、骨折既往の有無にかかわらず、閉経後骨粗鬆症患者における椎体骨折、非椎体骨折、手首骨折のリスクを低下させました。

個々のネットワークメタ解析の結果は、直接的な臨床試験のエビデンスや直接的なペアワイズ比較と良好な一致を示しました。

詳細な結果は次の通りです;

椎体骨折

適切な椎体骨折データを提供したRCT 25件のうち、7つの研究は、ACTIVE試験と比較して患者の特性があまりにも異なると考えられたために除外されました。

アバロパラチドのプラセボに対する効果が最も大きく(RR 0.13、95%CrI 0.04〜0.34)、次いでテリパラチド(RR 0.27、95%CrI 0.20〜0.37)、ゾレドロン酸(RR 0.29、95%CrI 0.23〜0.36)の順に効果的でした。

基準治療薬としてアバロパラチドを用いた場合、ラネル酸ストロンチウムおよびすべての経口ビスホスホネート製剤と比較して有意に高い効果を示しましたが、テリパラチド、デノスマブ、ラロキシフェン、ゾレドロン酸、オロモソズマブに対しては有意な差は認められませんでした。

骨粗鬆症治療薬の中で椎体骨折の予防に最も効果的な薬剤はアバロパラチドであり、その推定確率は79%、第2位はテリパラチドの29%でした。

非椎体骨折ネットワーク

適切な非椎体骨折データを提供したRCT 25件のうちの4件は、ACTIVE試験と比較して患者の特性があまりにも異なると考えられたために除外されました。

イバンドロネートを除くすべての治療法は、プラセボと比較して非椎体骨折の予防に有益な治療効果を示しました。しかし、ラロキシフェンの効果は統計的に有意ではありませんでした(P>0.05)。

アバロパラチドの治療効果が最も高く(RR 0.50、95%CrI 0.28〜0.85)、次いでテリパラチド(RR 0.62、95%CrI 0.47〜0.82)、ロモソズマブ(RR 0.64、95%CrI 0.49〜0.81)でした。

基準治療薬としてアバロパラチドを用いた場合、イバンドロネートやラネル酸ストロンチウムと比較しても有意に高い治療効果を示しました。

骨粗鬆症治療薬の中で非椎体骨折の予防に最も効果的な薬剤はアバロパラチドであり、その推定確率は70%、第2位はテリパラチドの44%でした。

手首骨折

適切な手首骨折データを提供したRCT 11件のうち1件は、ACTIVE試験と比較して患者の特性があまりにも異なると考えられたために除外されました。

閉経後女性 24,523例を対象に8つの治療法を比較したRCT 10件が手首骨折のネットワークメタ解析に含まれました。

プラセボと比較した手首骨折の予防効果は、アバロパラチドとアレンドロネートのみが統計的に有意でした(P<0.05)。

治療効果は、アバロパラチドが最も大きく(RR 0.39、95%CrI 0.15〜0.90)、次いでアレンドロネート(RR 0.46、95%CrI 0.29〜0.70)、ラロキシフェン(RR 0.63、95%CrI 0.20〜2.09)でした。

基準治療薬としてアバロパラチドを用いた場合、ラネル酸ストロンチウムよりも有意に手首骨折を予防する効果がありました。

骨粗鬆症治療薬の中で手首骨折の予防に最も効果的な薬剤はアバロパラチドであり、その推定確率は53%、第2位はアレンドロネートの47%でした。

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✅まとめ✅ アバロパラチドは、プラセボあるいは他の治療法と比較して、骨折既往の有無にかかわらず、PMO女性における椎体骨折、非椎体骨折、および手首骨折リスクを減少させた

根拠となった論文の抄録

要約:このネットワークメタアナリシスは、閉経後骨粗鬆症の女性の骨折リスクを低減するためのアバロパラチドの有効性を、他の治療法と比較評価した。その結果、アバロパラチドはプラセボと比較して、また他の治療法と比較して、閉経後骨粗鬆症の女性の骨折リスクを低減することが示された。

はじめに:本ネットワークメタアナリシス(NMA)では、閉経後骨粗鬆症(PMO)女性における骨折リスクを低減するためのアバロパラチドの相対的な有効性を他の治療法と比較して評価した。

方法:PubMed®、Embase®、Cochrane Central Register of Controlled Trialsから、2017年12月20日以前に発表されたランダム化対照試験で、一次または二次骨折予防のための介入を受ける資格のあるPMO女性を含むものを検索した。
NMAは、骨折部位別(椎骨[VF]、非椎骨[NVF]、手首)に実施し、プラセボに対する骨折の相対リスク(RR)を主要な臨床エンドポイントとした。NMAは固定効果法とランダム効果法を用いた。

結果:合計4,978件の論文がスクリーニングされ、そのうち22件が解析に含まれた。
プラセボあるいは他の治療法と比較して、アバロパラチドは、VF(RR 0.13、95%信頼区間[CrI] 0.04〜0.34)、NVF(RR 0.50、95%CrI 0.28〜0.85)、および手首(RR 0.39、CrI 0.15〜0.90)骨折において、最大の治療効果を示した。
治療法のランキングでは、アバロパラチドが他の治療法と比較して、各ネットワークにおける骨折予防の推定確率が最も高かった(VF骨折で79%、NVF骨折で70%、手首骨折で53%)。
個々のネットワークは、直接的な臨床試験のエビデンスや直接的なペアワイズ比較と良好な一致を示した。

結論:このNMAは、アバロパラチドが、プラセボあるいは他の治療法と比較して、骨折の既往があるかないかにかかわらず、PMO女性におけるVF骨折、NVF骨折、および手首骨折のRRを減少させることを示している。
限界としては、有害事象と薬剤費が考慮されていないこと、一般化可能性はNMAに含まれる試験集団とエンドポイントに限られることが挙げられる。

引用文献

Abaloparatide for risk reduction of nonvertebral and vertebral fractures in postmenopausal women with osteoporosis: a network meta-analysis – PubMed
J -Y Reginster et al. PMID: 30953114 PMCID: PMC6614166 DOI: 10.1007/s00198-019-04947-2
Osteoporos Int. 2019 Jul;30(7):1465-1473. doi: 10.1007/s00198-019-04947-2. Epub 2019 Apr 6.
—続きを読む pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30953114/

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