中等度から重度CKD患者の鉄欠乏症におけるクエン酸第一鉄と硫酸第一鉄はどちらの方が優れていますか?(RCT; Clin J Am Soc Nephrol. 2020)

Effect of Ferric Citrate versus Ferrous Sulfate on Iron and Phosphate Parameters in Patients with Iron Deficiency and CKD: A Randomized Trial

Rebecca Womack et al.

Clin J Am Soc Nephrol. 2020 Sep 7;15(9):1251-1258. doi: 10.2215/CJN.15291219. Epub 2020 Jul 21.

PMID: 32694162

DOI: 10.2215/CJN.15291219

Clinical trial registry name and registration number: Impact of Ferric Citrate vs Ferrous Sulfate on Iron Parameters and Hemoglobin in Individuals With Moderate to Severe Chronic Kidney Disease (CKD) With Iron Deficiency, NCT02888171.

Keywords: Iron Deficiency; anemia; chronic renal disease; clinical trial; ferric citrate; ferrous sulfate; mineral metabolism.

背景と目的

クエン酸第一鉄は、透析を必要としないCKD患者における鉄欠乏性貧血の治療薬として承認されている経口薬である。

CKD患者における鉄欠乏性貧血の治療におけるクエン酸第一鉄と硫酸第一鉄の相対的な有効性は不明である。

試験デザイン、設定、参加者、および測定

中等度から重度のCKD(eGFR15~45mL/min/1.73m2)と鉄欠乏症(トランスフェリン飽和度[TSAT]30%以下、フェリチン300ng/mL以下)を有する成人60例を、クエン酸第一鉄(フェロミア®️*:2gを1日3回、食事とともに投与、n=30)または硫酸第一鉄(フェロ・グラデュメット®️**:325mgを1日3回、n=30)に12週間ランダム割り付けした。

一次アウトカムは、ベースラインから12週間のTSATとフェリチンの変化であった。

副次的アウトカムはヘモグロビン、線維芽細胞増殖因子23(FGF23)、ヘプシジンの変化であった。

*日本での承認用量:100〜200mg

**日本での承認用量:105〜210mg

結果

・ベースラインの特徴は試験群間でバランスが取れていた。

・クエン酸第一鉄群にランダム化された被験者では、硫酸第一鉄群と比較して、ベースラインから12週目までのTSAT(群間平均変化率差 8%、95%信頼区間[95%CI] 1~15、P=0.02)およびフェリチン(群間平均変化率差 37ng/ml、95%CI 10~64、P=0.009)の増加が大きかった。

・同様に、硫酸第一鉄と比較して、クエン酸第一鉄による治療では、ベースラインから12週目までのヘプシジンの増加が大きかった(群間差 69pg/ml;95%CI 8~130)。

・ヘモグロビン(0.3 g/dl、95%CI -0.2~0.8)、intact FGF23(-29 pg/ml;95%CI -59~0.1)、またはC末端FGF23(61 RU/ml、95%CI -181~58)の平均変化量に群間差はなかった。

・有害事象の発生率は治療群間で差がなかった。

結論

硫酸第一鉄と比較して、クエン酸第一鉄を12週間投与した場合、中等度から重度のCKDおよび鉄欠乏症の患者では、TSATおよびフェリチン濃度の平均上昇が大きかった。

コメント

中等度から重度のCKD患者の鉄欠乏症に対する鉄剤の比較試験。本試験の結果によれば、クエン酸第一鉄は、硫酸第一鉄と比較して、トランスフェリン飽和度とフェリチン濃度を有意に上昇させました。ただし、本試験に用いられた各薬剤の用量は、日本で承認された用量よりも多いです。特にクエン酸第一鉄の用量については、10倍以上です。本邦でも同様な効果が得られるのかについては不明です。今後の検討結果が待たれます。

✅まとめ✅ 中等度から重度のCKD患者の鉄欠乏症に対するクエン酸第一鉄は、硫酸第一鉄と比較して、トランスフェリン飽和度とフェリチン濃度を有意に上昇させた

コメント

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