痔核結紮切除術・術後疼痛に対するNSAIDsへの芍薬甘草湯の追加効果はどのくらいですか?(RCT; 日本大腸肛門病会誌 2012)

結紮切除術・術後疼痛に対する芍薬甘草湯のNSAIDs上乗せ鎮痛効果―無作為割付による比較検討―

Miyazaki M et al.

日本大腸肛門病会誌 65:313-317,2012

目的

痔核摘出術は通常、術後の強い痛みを伴う。

本研究は、痔核切除術後の術後疼痛を軽減するために、芍薬甘草湯(ツムラTJ-68)の有効性を評価することを目的としたものである。

紮切除後の疼痛に対して芍薬甘草湯による非ステロイド系鎮痛剤(以下 NSAIDs)上乗せ鎮痛効果を検証する。

方法

半閉鎖型痔核切除術を受けた痔核または粘膜脱肛の患者 39例(女性 24例)を登録し、以下の2群へランダム割り付けした。

2011年8月31日までに結紮切除術(LE)を 3 ヶ所以上施行した痔核、粘膜脱症例を対象とし diclofenac sodium(ボルタレンⓇ)75mg/ 日・分 3 経口投与に芍薬甘草湯(TJ-68)7.5g/日・分 3 上乗せ経口投与をランダムに「投与なし」と「投与あり」の 2 群に分けて行い、prospective に検討した。

術後に調査表を患者に渡し、術当日から術後 9日目まで自己表記させた。検討した項目は疼痛スコア、疼痛の種類、疼痛スコアが 3点以下になるまでの日数、安静時の疼痛が消失するまでの日数、疼痛による夜間覚醒の有無、注射鎮痛剤使用の有無、NSAIDs(座薬、内服薬)追加使用の有無について調査した。

結果

・(投与なし/投与あり):例数は 21例(女性 13例)/ 18例(女性 11例)、年齢は 49.3±15.3/ 53.0±13.6 歳で年齢と性別に有意差は認めなかった。

・疼痛スコアは術当日を除く術後 1日目から 9日目でいずれも「投与あり」群で有意に小さかった。また、疼痛スコアが 3点以下になるまでの日数は平均 5.2日/ 2.1日であり、注射鎮痛剤使用の有無は 10例(48%)/ 3例(17%)で有意差を認めた。しかし、安静時の疼痛が消失するまでの日数は平均 2.2日/ 2.1日、NSAIDs(座薬、内服薬)追加使用の有無は 6例(29%)/ 2例(11%)、疼痛による夜間覚醒の有無は 12例(57%)/ 8例(44%)で有意差は認めなかった。

結語

3ヶ所以上の結紮切除術後疼痛に対するNSAIDsへの芍薬甘草湯の上乗せ投与は効果があり、明日からでも施行可能な簡便で有益な方法だと思われる。

✅まとめ✅ 3ヶ所以上の結紮切除術後疼痛に対するNSAIDsへの芍薬甘草湯の上乗せ投与は、投与なしと比較して、疼痛スコアを減少させるかもしれないが、試験の内的妥当性は低い可能性が高い

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