心房細動患者におけるアピキサバン、ダビガトラン、リバロキサバン、ワルファリンによる治療と骨粗鬆症性骨折リスクとの関連性はどのくらいですか?(香港の人口ベース コホート研究; Ann Intern Med. 2020)

Association Between Treatment With Apixaban, Dabigatran, Rivaroxaban, or Warfarin and Risk for Osteoporotic Fractures Among Patients With Atrial Fibrillation

A Population-Based Cohort Study

Wallis C.Y. Lau et al.

Association Between Treatment With Apixaban, Dabigatran, Rivaroxaban, or Warfarin and Risk for Osteoporotic Fractures Among Patients With Atrial Fibrillation: A Population-Based Cohort Study: Annals of Internal Medicine: Vol 173, No 1
A meta-analysis of adverse events reported in randomized controlled trials of direct oral anticoagulants (DOACs) found fewer reports of osteoporotic fracture am...

Annals of International Medicine 2020

Primary Funding Source: The University of Hong Kong and University College London Strategic Partnership Fund.

背景

抗凝固薬の種類が心房細動患者における骨粗鬆症性骨折のリスクと関連しているかどうかは不明である。

心房細動(AF)患者における抗凝固薬の劇症的合併症である骨粗鬆症性骨折のリスクと抗凝固薬の種類が関連しているかどうかは不明である。

目的

抗凝固薬間で骨粗鬆症性骨折のリスクを比較する。

試験デザイン

集団ベースのコホート研究。

試験設定

香港病院局の地域全体の電子健康記録データベース。

試験参加者

2010年から2017年の間に新たに心房細動と診断され、ワルファリンまたは直接経口抗凝固薬(DOAC)(アピキサバン、ダビガトラン、リバロキサバン)の処方を受けた患者。

フォローアップは2018年12月31日に終了した。

測定

抗凝固薬使用者における骨粗鬆症性股関節骨折および椎体骨折を、傾向スコア加重累積発生差(CID)を用いて比較した。

結果

・確認された患者は 23,515 例であった。

内訳;

  • アピキサバン使用者 :3,241 例
  • ダビガトラン使用者 :6,867 例
  • リバロキサバン使用者:3,866 例
  • ワルファリン使用者 :9,541 例

・全体の平均年齢は74.4歳(SD 10.8)で、73.1歳(ワルファリン)から77.9歳(アピキサバン)までの範囲であった。

・中央値423日の追跡調査では、骨折401例が確認された。

★粗イベント数[100例年あたりの加重平均値]:アピキサバン53例[0.82]、ダビガトラン95例[0.76]、リバロキサバン57例[0.67]、ワルファリン196例[1.11])

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・24ヵ月追跡後、DOACの使用はワルファリン使用よりも骨折リスクが低かった。

DOACの内訳;

  • アピキサバン :CID = -0.88%[95%CI -1.66% ~ -0.21%]
  • ダビガトラン :CID = -0.81%[CI -1.34% ~ -0.23%]
  • リバロキサバン:CID = -1.13%[CI -1.67% ~ -0.53%]

・24ヵ月目におけるDOAC間の全比較において差は認められなかった。

  • アピキサバン  vs. ダビガトラン:CID = -0.06%[CI -0.69% ~ 0.49%]
  • リバロキサバン vs. ダビガトラン:CID = -0.32%[CI -0.84% ~ 0.18%]
  • リバロキサバン vs. アピキサバン:CID = -0.25%[CI -0.86% ~ 0.40%]

試験の限界

残存交絡因子の可能性がある。

結論

心房細動患者において、DOACの使用はワルファリン使用と比較して骨粗鬆症性骨折のリスクを低下させる可能性がある。 骨折リスクはDOACの選択によっては変化しないようである。 これらの知見は、抗凝固薬を選択する際のベネフィット・リスク評価に役立つであろう。

コメント

以前からワルファリンによる骨折リスクが報告されていました。これはビタミンKの拮抗作用に基づくため、致し方ないことです。一方、ビタミンKの作用に拮抗しないDOAC(あるいはOAC)は、骨折リスクを増減させないと考えられます。

さて、試験結果によれば、DOACはワルファリンと比較して、骨折リスク低下と関連していました。また、この骨折リスクについてDOAC間で差はありませんでした。

人口ベースのコホート研究であるため、あくまでも仮説生成的な結果ですが、過去の報告と矛盾しません。

これまでの結果からすれば、骨折リスクが高い患者においては、DOACの方が良いかもしれません。しかし、過去の報告において、ワルファリンによる骨折リスクの増加は、新規ではなく骨折の既往歴を有する患者集団においてのみ認められたとする研究結果がありますので、薬剤選択については、患者背景や患者の意向を考慮した方が良さそう(当たり前と言われれば当たり前ですが)。

今回のコホート研究は、香港の電子データベースを利用しているため、結果の一般化は困難ですが、アジア人への外挿性は高いかもしれません。

✅まとめ✅ DOACはワルファリンと比較して、骨折リスク低下と関連していたが、DOAC間で差はなかった

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