80歳以上の高血圧患者における降圧剤の減量と通常のケアが短期的な血圧コントロールに及ぼす影響 はどのくらいですか?(非劣性 Open-RCT; OPTIMISE trial; JAMA. 2020)

Effect of Antihypertensive Medication Reduction vs Usual Care on Short-term Blood Pressure Control in Patients With Hypertension Aged 80 Years and Older: The OPTIMISE Randomized Clinical Trial

James P Sheppard et al.

JAMA. 2020 May 26;323(20):2039-2051. doi: 10.1001/jama.2020.4871.

PMID: 32453368

DOI: 10.1001/jama.2020.4871

Trial registration: EudraCT Identifier: 2016-004236-38; ISRCTN identifier: 97503221.

試験の重要性

多剤併用の高齢者や多疾患の患者の中には、治療を継続することの利点が有害性を上回るものではない場合には、降圧薬の再処方が推奨されることがある。

目的

本研究は、12週間の追跡期間中に収縮期血圧コントロールや有害事象に大きな変化がなくても降圧薬の減量が可能かどうか、確立することを目的とした。

試験デザイン、設定、参加者

Optimising Treatment for Mild Systolic Hypertension in the Elderly(OPTIMISE)試験は、イギリスのプライマリケア69施設で実施されたランダム化、非盲検、非劣性試験である。

プライマリケア医が減薬が適切と判断した80歳以上で、収縮期血圧が150mmHg未満で、降圧薬を2種類以上服用している参加者が対象となった。

参加者は2017年4月~2018年9月に登録し、2019年1月まで追跡調査を受けた。

介入

参加者は、降圧薬の減量戦略(1剤の減薬[介入]、n = 282)または通常のケア(対照、n = 287)にランダム割り付けされた(1:1の比率)、薬の変更は強制されなかった。

主要アウトカムと測定法

主要アウトカムは、12週フォローアップ時の収縮期血圧が150mmHg未満であった。

事前に指定した非劣性マージンは相対リスク(RR)0.90であった。

副次的アウトカムとして、服薬量の削減を維持した参加者の割合、血圧、虚弱性、QOL、有害事象、重篤な有害事象の差が含まれた。

結果

・ランダム化された患者569例(平均年齢84.8歳、女性276例[48.5%]、ベースライン時に処方された降圧薬の中央値は2種類)のうち、534例(93.8%)が試験を終了した。

・全体では、介入群229例(86.4%)、対照群236例(87.7%)で12週目の収縮期血圧が150mmHg未満であった。

★調整後RR =0.98、片側 97.5%CI 0.92~∞(0.90を上回ったため非劣性が示された)

・事前に指定した7つの副次的エンドポイントのうち、5つは有意差を示さなかった。

・減薬は12週目に187例(66.3%)の参加者で持続した。

・収縮期血圧の平均変化は、対照群と比較して介入群で3.4mmHg(95%CI 1.1~5.8mmHg)高かった。

・介入群の12例(4.3%)、対照群の7例(2.4%)が少なくとも1つの重篤な有害事象を報告した。

★調整後RR =1.72、95%CI 0.7~4.3

結論および関連性

複数の降圧薬で治療されている高齢患者において、通常の治療と比較して減薬戦略は、12週間後の収縮期血圧コントロールに関して非劣性であった。

この結果は、長期的な臨床結果を理解するためにはさらなる研究が必要であるが、一部の高齢の高血圧患者における降圧薬の減量は血圧コントロールの実質的な変化とは関連していないことを示唆している。

コメント

高齢者における降圧療法は、眩暈やふらつき、転倒・骨折リスクなどが報告されている。また過度の降圧は心血管イベントや死亡リスクを増加させる可能性が示されている。本研究では、降圧薬を2種類以上服用している80歳以上の高齢高血圧患者を対象に、減薬群(介入群)と通常ケア群(対照群)を比較検討している。

さて、試験結果によれば、12週目の収縮期血圧150mmHg未満を達成したのは、介入群229例(86.4%)、対照群236例(87.7%)でした。調整後RRは0.98(片側 97.5%CI 0.92~∞)であり、非劣性が示されました。ただし、12週目に減薬が持続していたのは187例(66.3%)でした。

また収縮期血圧の平均変化は、対照群と比較して介入群で3.4mmHg(95%CI 1.1~5.8mmHg)高かったとのこと。

今回の試験はオープンラベルのRCTですが、主要アウトカムが収縮期血圧、つまり客観的アウトカムであるためバイアスが入り込む可能性は低いと考えられます。

80歳以上の高血圧患者においては、降圧薬の減薬を考慮しても良いかもしれないですね。

有料文献であるため確認できていませんが、既往歴などの患者背景が知りたいところです。

✅まとめ✅ 降圧薬を2種類以上服用している80歳以上の高齢高血圧患者における降圧剤の減薬は、12週目の収縮期血圧150mmHg未満の達成が通常ケアに対して非劣性であった

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