早発性自然閉経と外科的閉経が心血管疾患へ及ぼす影響はどのくらいですか?(イギリス人口ベース コホート研究; JAMA 2019)

Association of Premature Natural and Surgical Menopause With Incident Cardiovascular Disease.

Honigberg MC et al.

JAMA. 2019 Nov 18.

doi: 10.1001/jama.2019.19191.

PMID: 31738818

DOI: 10.1001/jama.2019.19191

試験の重要性

最近のガイドラインでは、中年女性の動脈硬化性心血管系疾患リスク評価を精緻化するために、40歳になる前に閉経した女性に使用することが推奨されている。この集団における心血管疾患リスクに関する堅牢なデータは不足している。

目的

40歳になる前に自然閉経および手術による閉経を有する女性における心血管疾患の発症と心血管リスク因子を検討する。

試験デザイン、設定、参加者

英国の成人居住者を対象としたコホート研究(英国バイオバンク)で、2006年から2010年の間に募集した。

研究登録時に40~69歳で閉経後女性のうち、144,260人が対象となった。フォローアップは2016年8月まで行われた。

曝露

自然な閉経前閉経(卵巣切除を行わない40歳前の閉経)および手術による閉経前閉経(40歳前に両側の卵巣切除を行った場合)。早期閉経を伴わない閉経後の女性を基準群とした。

主要アウトカムおよび測定法

主要アウトカムは、冠動脈疾患、心不全、大動脈狭窄、僧帽弁逆流、心房細動、虚血性脳卒中、末梢動脈疾患、静脈血栓塞栓症の偶発症を複合したものであった。

副次アウトカムには、一次アウトカムの個々の成分、高血圧症、高脂血症、2型糖尿病の偶発症が含まれていた。

結果

・対象となった閉経後女性144,260人(登録時の平均年齢[SD] 59.9[5.4]歳)のうち、4,904人(3.4%)が(自然な)早発閉経で、644人(0.4%)が手術による早発閉経であった。

・参加者は中央値7年間追跡調査された(中間値範囲 6.3~7.7)。一次アウトカムは、早発閉経なしの女性5,415人(3.9%)(発生率 5.70/1,000人女性・年)、早発閉経の女性292人(6.0%)(発生率 8.78/1,000人女性・年)であった。

★差(早発閉経なしとの比較) = +3.08/1,000人女性・年[95%CI 2.06〜4.10];P<0.001]

・手術による早発性閉経の女性49人(7.6%)(発生率 11.27/1,000人女性・年)だった。

★差(早発閉経なしと比較) = +5.57/1,000人女性・年[95%CI 2.41〜8.73];P<0.001

・主要転帰については、従来の心血管疾患リスク因子および更年期ホルモン療法の使用を調整した後、自然閉経および手術による早発閉経はそれぞれハザード比 が1.36(95%CI 1.19~1.56;P < 0.001)および1.87(95%CI 1.36~2.58;P < 0.001)と関連していた。

結論および関連性

自然閉経および手術による早発閉経(40歳前)は、閉経後の女性における心血管疾患複合体のリスク増加と、わずかではあるが統計学的に有意に関連していた。

これらの関連の根底にあるメカニズムを理解するためには、さらなる研究が必要である。

コメント

期せずして読んでしまった論文です。

女性ホルモンは心血管イベントの低下と関連していることが以前から報告されており、そのため閉経後に心血管イベントのリスク増加の可能性が示唆され、その検証の結果、リスク増加も示されています。

さて、本試験は早期閉経女性における心血管イベントの発生リスクについて検討しています。その結果、早発閉経の女性では、早発閉経なしの女性と比較して、わずかではありますが、以下のようにリスク増加が示されています。ただし、あくまでも観察研究ですので、仮説生成的な結果です。

(自然な)早期閉経:ハザード比 =1.36(95%CI 1.19~1.56;P < 0.001)

手術による早発閉経:ハザード比 =1.87(95%CI 1.36~2.58;P < 0.001)

ただし、多くのアウトカム(冠動脈疾患、心不全、大動脈狭窄、僧帽弁逆流、心房細動、虚血性脳卒中、末梢動脈疾患、静脈血栓塞栓症)を複合していますので、個々のアウトカムのリスク増加については、かなり小さいと考えます。また、早発閉経による他の疾患リスクへの影響は不明です。

現段階では、そこまで心配する必要はない情報であると考えます。今後の報告を待ちます。

✅まとめ✅ 40歳前の早発閉経により心血管イベントの発生リスクが増加するかもしれない

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