SGLT2阻害薬による重度の尿路感染症リスクはどのくらいですか?(人口ベース コホート研究; Ann Intern Med. 2019)

Sodium-Glucose Cotransporter-2 Inhibitors and the Risk for Severe Urinary Tract Infections: A Population-Based Cohort Study

Chintan V Dave et al.

Ann Intern Med. 2019

PMID: 31357213

DOI: 10.7326/M18-3136

Primary funding source: Brigham and Women’s Hospital, Division of Pharmacoepidemiology and Pharmacoeconomics.

背景

ナトリウム-グルコース共輸送体-2(SGLT-2)阻害剤による重度の尿路感染症(UTI)のリスクを評価する先行研究では、相反する知見が報告されている。

目的

SGLT-2阻害剤の使用を開始した患者が、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害剤またはグルカゴン様ペプチド-1受容体(GLP-1)アゴニストの使用を開始した患者と比較して、重度のUTIイベントのリスクが高いかどうかを評価する。

試験デザイン

人口ベースのコホート研究。

試験設定

商用請求に関する米国ベースの大規模データベース2つ(2013年3月〜2015年9月)。

試験参加者

各データベース内で、2つのコホートが作成され、傾向スコアで1:1に一致した。

患者は18歳以上の2型糖尿病であり、SGLT-2阻害剤とDPP-4阻害剤(コホート1)またはGLP-1アゴニスト(コホート2)の使用を開始していた。

測定

主なアウトカムは、原発性UTI、UTIを伴う敗血症、または腎盂腎炎による入院として定義される重度のUTIイベントだった。

二次アウトカムは抗生物質で治療された外来UTIだった。

ハザード比[HR]は、傾向スコアが一致した各コホートで推定され、90を超えるベースライン特性を調整した。

結果

・傾向スコアで1対1のマッチングを行った後、2つのデータベースのうち、コホート1で123,752人、コホート2で111,978人の患者が特定された。

・コホート1では、SGLT-2阻害剤を新たに投与された患者のうち重度UTIは61イベント(発生率[1.76/1,000人年])であり、DPP-4阻害剤群では57イベント(IR =1.77/1,000人年)だった。

★HR =0.98, 95%CI 0.68〜1.41

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・コホート2では、SGLT-2阻害剤の投与を受けた患者は73イベント(IR =2.15)だったが、GLP-1アゴニスト群では87イベント(IR =2.96)だった。

★HR =0.72, 95%CI 0.53〜0.99

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・調査結果は感度分析全体で堅牢であった。(年齢、性別、虚弱のいくつかのサブグループ内で、そしてカナグリフロジンとダパグリフロジンについては個別に)。

・さらに、SGLT-2阻害剤は外来UTIリスクの増加と関連していなかった(コホート1:HR =0.96 [CI 0.89〜1.04]; コホート2:HR =0.91 [CI 0.84〜0.99])。

試験の限界

研究結果の一般化可能性は、商業保険に加入している患者に限定される場合がある。

結論

日常診療で見られる患者の大規模なコホートでは、SGLT-2阻害剤による治療を開始した患者における重度および非重度のUTIイベントリスクは、他の二次抗糖尿病薬による治療を開始した患者のリスクと同様であった。

コメント

アブストのみ。

Ertugliflozin、Remogliflozin etabonate以外の、日本でも承認されているSGLT2阻害薬は含まれているようです。

さて、本試験結果では、SGLT2阻害薬の使用により、DPP-4阻害薬やGLP-1受容体刺激薬と比較して、尿路感染症リスクを増加させなかった、、

少し意外な結果でしたが、発売されてから数年経過していることと、尿路感染症について外来も含め注意喚起されているためではないかと考えられます。

また糖尿病のステージにより尿路感染症リスクが増加することも寄与していると考えられます。したがってSGLT2阻害薬による尿路感染症(個人的にはフルニエ壊疽も)については、引き続き注意喚起と発症リスク低下の取り組みについて、継続的な患者教育を行う必要があると考えています。

とはいえ、あくまで仮説生成的な結果ですね。アメリカ人への外的妥当性は高いかもしれませんが、内的妥当性は低いかも。GLP-1受容体刺激薬との比較で、SGLT2阻害薬の方が、尿路感染症リスクが低そうなのも偶然だったかもしれない。続報に期待。

✅まとめ✅ アメリカ人口ベース観察研究ではSGLT2阻害薬による尿路感染症リスク増加は、DPP4阻害薬やGLP1受容体刺激薬と同じぐらいかもしれない

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