ICU患者における高用量セレネース®️の効果はどのくらいですか?(DB-RCT; NEJM 2018)

せん妄 delirium

Haloperidol and Ziprasidone for Treatment of Delirium in Critical Illness.

N Engl J Med. 2018 Dec 27;379(26):2506-2516.

doi: 10.1056/NEJMoa1808217. Epub 2018 Oct 22.

Funded by the National Institutes of Health and the VA Geriatric Research Education and Clinical Center

MIND-USA ClinicalTrials.gov number, NCT01211522 .

PMID: 30346242

背景

集中治療室(ICU)患者のせん妄に対する抗精神病薬の効果に関する矛盾データがある。

方法

ランダム化二重盲検プラセボ対照試験では、急性呼吸不全またはショック、低活動性、過活動性せん妄患者に対しハロペリドールの静脈内ボーラス投与(最大用量 20 mg/日)、Ziprasidone(最大用量 40 mg毎日)またはプラセボを割り当てた。

試験薬またはプラセボ投与量は、ICUにおいて混乱評価法の使用で検出された せん妄の有無と、その副作用に基づいて12時間間隔で半分または2倍に変更となった。

主要エンドポイントは、14日間の介入期間中に せん妄または昏睡なしで生存した日数だった。

二次エンドポイントには、30日間および90日間の生存期間、機械的換気から解放されるまでの時間、ICUおよび退院までの時間が含まれる。

安全性のエンドポイントには、錐体外路症状と過度の鎮静が含まれていた。

結果

・書面によるインフォームドコンセントは、患者1,183人またはその代表者から得られた。

・せん妄は566人(48%)で発症し、そのうち89%が機能低下せん妄を、11%が機能亢進せん妄を患っていた。

・566人のうち、184人がプラセボ、192人がハロペリドール、190人がZiprasidoneをランダムに割り付けられた。

・治験薬またはプラセボへの曝露期間の中央値は4日間だった(四分位範囲 3〜7)。

・せん妄または昏睡のない生存日数の中央値は、プラセボ群で8.5(95%信頼区間[CI] 5.6〜9.9)、ハロペリドール群で7.9(95%CI 4.4〜9.6)、Ziprasidone群で8.7(95%CI 5.9〜10.0)だった。試験グループの全体的な効果についてはP = 0.26。

・ハロペリドールまたはZiprasidoneの使用は、プラセボと比較して、主要エンドポイントに有意な影響を与えなかった。

★ハロペリドール:オッズ比 =0.88 [95%CI 0.64〜1.21]

★Ziprasidone:1.04 [95%CI 0.73〜1.48])

・二次エンドポイントまたは錐体外路症状の頻度に関して、グループ間で有意な差はなかった。

結論

プラセボと比較して、ICUの急性呼吸不全またはショック、低活動性または過活動性せん妄患者でのハロペリドールまたはZiprasidoneの使用は、せん妄の持続時間を有意に変化させなかった。


コメント

アブストのみ。

Ziprasidoneは日本における統合失調症患者を対象とした第3相試験でfailしているため、本邦では未承認。またハロペリドール(セレネース®️)については、日本で使用されている用量5mg(最大でも10mg)よりもかなり多い。さらにセレネース®️の適応は統合失調症と そう病のみだが、この部分は適応外使用として頻繁に使用されてしまっていますよね。

さて、結果としては両薬剤共にプラセボ群と大差なかった。過去の結果と矛盾しない。

✅KEYWORD✅ ICUせん妄ハイリスク患者におけるセレネース®️あるいはZiprasidoneの使用は せん妄を予防しなそう

参考文献

1: Girard TD et al.; MIND-USA Investigators. Haloperidol and Ziprasidone for Treatment of Delirium in Critical Illness. N Engl J Med. 2018 Dec 27;379(26):2506-2516. doi: 10.1056/NEJMoa1808217. Epub 2018 Oct 22. PubMed PMID: 30346242; PubMed Central PMCID: PMC6364999.

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